金融アセスだより
第33回
決算書を武器に
世の中のお金には、「自分のお金」と「他人のお金」の二種類しかないことをご存じでしたか。 「自分のお金」とはB/Sの純資産(資本金、利益等)にあたり「他人のお金」とは負債(借入金、未払金等)に該当します。このバランスがいわゆるB/S経営です。P/Lとの違いは、P/L→節税→キャッシュ無→1年間の成績、売上を優先。B/S→納税→キャッシュ有→創業から現在までの経営者の意思決定のすべて、と考えるとわかりやすいです。決算書は経営者の通信簿だと言われますが、同時に武器にもなると思います。中でも重要視されるのはキャッシュフローです。数字は世界共通の言語であり翻訳はいりません。経営者は管理会計などを導入することにより、数字をきっちりと把握し己の弱点を知ることが大切です。強靱な財務体質は学ぶことによって創られます。
経営者の値うち
昨今、セーフティネットなど公的資金がバラまかれていますが、金融機関の体質は変わっていません。特にリスクに対しては敏感で、プロパー融資から保証付融資への変更は、リスクが増加し格付けに基づく信用収縮の状態といえます。経営者の値うちは無担保で幾ら融資を受けられるかだと思います。一度メインバンクに問いかけてみてください。もし自分の想像と異なっていれば、複数行取引は当然のことメインを変えることも必要です。リスク分散をせず「メインバンク幻想」に依存した経営をしていては、金融機関の都合で自社の存亡が決められてしまいます。互いに甘える事なく、常に適度な危機感を持たなければ、変化の対応に乏しくなります。そこで、取引金融機関に頻繁に顔を出すなど、コミュニケーションを深め夢や計画を語り、金融機関にこう問いかけてみて下さい。「この事業計画にいくら投資をしていただけますか」と。
大薮伸康大薮建設(株)