ヨーロッパ企業視察(寄稿)
地域の歴史と人を尊重 〜アルザス(フランス)企業視察(1)
加藤昌之

仏の中小企業の現状を視察
フランスのアルザス地方は白ワインが世界的に有名で、ドイツ、スイスの国境が近くにあり、歴史的にドイツ領になったりフランス領になったりを繰り返しているので、どちらの言葉も通じる不思議な地方です。
アルザス地方は地理的にEUの中心にあり、中心都市のストラスブールには欧州議会や評議会、欧州裁判所があります。
旅の目的は、留学中である名城大学井内准教授の案内でフランス中小企業の現状と環境建築を視察するというものでした。
この地方は日本との文化的親交が深く、ストラスブール大学には日本講座もあり、そのため日本の企業が多く進出していました。
映画では、宮崎駿の「ハウルの動く城」などでコルマールの町並みをモチーフにしたと言われています。
市民の暮らしを大切にする政策

ストラスブールやコルマールは歴史がそのまま止まってしまったようなまち。まちのどこを歩いても中世の町並みが私達を迎えてくれ、フランスの片田舎の雰囲気です。
まちの人々もおおらかな人柄で井内准教授も日本人の気質ととても合うと言っていました。
一見して農業と観光のまちかと思ってしまいますが、自動車や電機関連の外国企業を誘致していて産業振興にも成功しています。
地域の歴史的な遺産や農業などの地場産業を大切にし、市民の生活と暮らしを大切にする政策を行なっていることがこの地域を豊かにしています。