こちら経営相談室(7)
金融機関との交渉の前に 〜実演でケーススタディ

融資交渉を実演
経営相談室が一般会員向けに開催した2月1日の学習会では金融機関との融資交渉が実演形式で行われ、会員50名が参加しました。
実演で取り上げられたのは、経営破たん寸前の製造業社長が新事業の投資資金の融資を受けるため、金融機関との交渉に臨むというケース。経営相談室で相談を受けた後、本番の交渉に臨み明るい兆しが見えてくるというシナリオでした。
この中で述べられた交渉のポイントは以下の通りです。
- 経営者が自社の財務状況を把握し説明できるようにする。
- 事業の維持発展のために努力の姿勢を示し、事業の将来性や計画を語れるようにする。
- データ整理や計画づくりには専門家を積極的に活用する。
- 金融機関には誠実さを示し、偽ったデータなどは絶対に出さない。
- 金融機関の説明に納得できない場合はあきらめずに食い下がるなどです。
労使見解で危機突破を
最新情報も報告され、中小企業金融円滑化法の施行後、金融機関の対応が大幅に柔軟になっており、資料・計画があれば交渉が通る可能性が非常に高くなっていること。
同時に、あくまで不況下の「緊急措置」であり、業績が回復次第、返済はきちんと行っていくことが重要であると述べられました。
まとめでは、融資交渉がうまくいった後、事業回復には「労使見解」や経営指針の実践で経営体質の本質的な強化をはかり、経営者同士の情報交換から事業展開の具体的な知恵を得ることが必要であり、まさしく同友会での学びと実践がカギを握っていることなどが語られました。