憲章ホットニュースⅡ
中小企業憲章を中小企業のバイブルに

「中小企業憲章制定をぜひ実現し憲章を中小企業のバイブルとなるようなものにしたい」と話す増子副大臣(写真中央)と鋤柄中同協会長(その右)

同友会の「3つの目的」の1つである「よい経営環境づくり」の実現に向けて、2003年から同友会では中小企業憲章制定運動に取り組んできました。今年に入り、中小企業憲章制定に向けた流れは急速に早まっています。今年1月5日の閣議後の会見で直嶋経済産業大臣は、1月内にも有識者会議を立ち上げ、5月をめどに骨格をまとめるという中小企業憲章を策定する方針を明らかにしました。それを受け、中小企業庁では「中小企業憲章に関する研究会」が設けられ、3月までに中小企業経営者や各種団体、金融機関などの意見聴取を行い、5月頃をメドに骨子をとりまとめる予定です。以下、中小企業家同友会全国協議会(全国4万社、略称:中同協)の広報紙「中小企業家しんぶん」(写真提供も中同協)より転載します。

増子副大臣と中同協会長が懇談

中同協は2月8日、経済産業省を訪ね、増子輝彦経済産業副大臣(参議院議員)と懇談しました。懇談では、中小企業憲章などについて意見交換をしました。

懇談したのは、中同協の鋤柄修会長と国吉昌晴副会長・専務幹事、松井清充事務局長、瓜田靖政策局長、小川緑主任事務局員です。

まず、鋤柄会長が日ごろの同友会への増子副大臣の配慮に感謝し、中小企業憲章制定への尽力を要請しました。

それに対し、増子副大臣は、自身が過去に福島同友会の会員として同友会をよく理解しており、経済産業省内でも同友会を民間の中小企業団体として大切にするよう強調している、とこたえました。

憲章制定を国会決議で行う

また、中小企業憲章制定をぜひ実現し、憲章を中小企業のバイブルとなるようなものにしたいと抱負を語りました。

さらに、増子副大臣は、若者が希望を持って働ける環境を整備する一環としてインターンシップを大規模に行うために予算を確保したことや、小規模企業共済と中小企業倒産防止共済制度の拡充に努めていることなども紹介しました。

懇談の中で、憲章制定の仕方について増子副大臣は、国会決議で行うべきとし、中小企業に関しては与野党の対立軸は薄く、全会一致は可能であると述べました。懇談は、親しい雰囲気の中で進められ、今後も継続して意見交換をすることを約束して終了しました。【2月25日号】

憲章制定と政策の抜本的転換を

2月23日、経済産業省本館において、中小企業庁の「第2回中小企業憲章に関する研究会」が開かれました。同日、中同協の第13回中小企業憲章制定運動推進本部会議が行われており、会議終了後に全国の同友会の役員・事務局の20数名が研究会に駆けつけ、傍聴しました。

研究会では、6名の中小企業経営者が憲章に関して意見を述べ、委員からの質問に答えました。同友会を代表して、大橋正義・憲章制定運動推進本部副本部長が意見陳述をしました。

中同協作成の憲章草案を説明

大橋氏は、第1に同友会について紹介し、同友会が憲章に取り組むようになった経緯を説明。第2に、なぜ今、中小企業憲章が必要なのかを解明。第3に、中同協が作成した「中小企業憲章草案(第1次案)」の概要を解説。第4に、憲章制定後に実効あらしめるための中小企業家等の参加の仕組みとフォロー体制(中小企業憲章推進国民会議・仮称の設置等)について提案しました。

ほかに、日本商工会議所や全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会の代表からも意見が述べられました。各代表は、苦境にあえぐ中小企業と地域経済の疲弊を強調し、中小企業政策の充実を強く求めました。

また、委員からの質問に答え、大橋氏は、日本経済を根本から転換し、中小企業が草の根から日本経済を支える姿を構想して、政策転換と価値観の転換を進めていくことを強調しました。【3月15日号】