どうゆうき

▼一昨年のリーマンショック、トヨタショックにより、昨年は「100年に一度」ともいわれる不況となりました。地元大企業の業績も悪化し、愛知県経済は大きな打撃を受けました。2009年後半期には自動車産業が多少持ち直したとはいえ、設備等の関連業界は依然厳しい状況が続きます。また建設業では民需にほとんど動きがない上に、公共工事の凍結で民需を補うだけの官需も見込めないことから値引き競争が激化しています。小売サービス業では消費の減退に加え、デフレの影響ですべてに「安く、安く」との声が大きく、私たち中小企業の経営が圧迫されています

 

▼いま輸出依存から消費拡大、国内市場活性化路線への政策の転換が求められています。その鍵は地域経済の活性化であり、中小企業の活性化なくして実現はあり得ません。いまこそ同友会運動の真価を発揮する時です。中小企業重視の産業政策を軸に据えた新しい成長、発展をめざす同友会の「中小企業憲章」に基づいた、実行性のある政策を提示していくことが私達に求められます

 

▼今年の中小企業白書によると、今回の経済危機の影響で従業員を削減した割合は、事業規模が小さいほど低いことが紹介されていました。また中小企業のエネルギー起源二酸化炭素排出量は全体の12パーセントを占め、省エネに向けた課題を提示しています。この時代の転換期は、新たな価値を創造する大きなチャンスでもあります。中小企業が元気になり、自ら景気を作りだす気概をもってこの経営危機を突破し、新しい時代を創っていきましょう。

 

会長 山本 栄男