金融アセスだより(第44回)

地域の金融機関とともに

当社はプレス金型製造を営んでいます。先代の父の時代には、金融機関の支店長と仲良くしていればお金はいくらでも借りられました。しかし私の代では景気が悪化し、いわゆる「貸し渋り」や「貸し剥がし」を体験してきました。

同友会ではリレーションシップバンキング(地域密着型金融)を推進していますが、すべての金融機関で同じような対応をされた私には、その違いがわかりませんでした。

そして金融委員会で学ぶうち、信用金庫・信用組合や一部の地方銀行においては、金融検査マニュアルの策定など当時の金融行政の変化によって、中小企業との関係が画一化されていたことを知りました。

地域密着型金融を

リレーションシップバンキングとは、金融機関が長期継続的な取引を築く中で取引先の情報を蓄積し、それにもとづいて融資などを行うこと。そこでは必要な情報提供やコンサルティングなど、既存の発想にとらわれない関係を構築できます。

そのためには、私たち経営者が自社の情報開示を正しく行い、取引先である金融機関の立場を理解することも必要です。金融環境がどのように変化しようとも、私たち経営者が襟を正す姿は不変でなければなりません。

 

丸正精工(株) 今吉 智彦