どうゆうき

▼リーマンショックに端を発した長期不況に覚悟は決めていましたが、わが社にはいまだ景気回復の兆しがないまま、業界全体も停滞しています。報道によれば、着実に景気回復の道を歩んでいるとされる中、今年の夏も過ぎようとしています。各地で行われたイベントも、大掛かりなものから小規模のものまで、幾つか地域振興として行われたようです。そのために多くの税が全国でどれだけ使われたかは知りませんが、それにかかわった役所の経費まで入れたら、莫大な数字になると思われます

 

▼観光事業も大切ですが、税の使われ方がいろいろと言われています。補助金を上手に活用する社会ができあがっていますが、どれだけの効果があったかはチェックされず、あるとしても何名の参加者があったかがわかるくらいです。地域振興も競争時代なのでしょうか。成熟化社会は量から質の時代になって、すべてのものを見直す必要があるように思います。余暇の活用とあわせ、これからの行事も習慣から脱皮しなければならないのに、これでよいのかの疑問が残ります

 

▼過去、私たちは便利さや楽しさを追い求めて競争に勝ち抜くことを重視してきました。しかし今だに「金」と「物」による豊かさの考えから脱皮していません。「豊かに生きる」ことの原点に立ち、ヨーロッパ共同体からも学んだ「市場が主語」でなく「人間が主語」の社会を望ましい将来像として、同友会が目指す「人間が人間らしく豊かに生きる」ために、各自が日常活動の中で考えなければ変わらないという大切な変化の時期にさしかかっています。

 

相談役 尾嶋 敬久