金融アセスだより(第47回)

手詰まり感の経済

ギリシャ危機に端を発したユーロ問題で、第2のギリシャが現れるのではないかと心配されています。またアメリカでは失業率が高止まりしていて、商業用不動産ローンの問題も完全には解決していません。

このような先行きの見えない世界経済の動向が円高となって日本に跳ね返ってきており、各国の動向を踏まえたマクロ経済を理解することが中小企業経営者の間で必要不可欠となってきています。

経営者の情報分析力

緊急保障制度や環境対策の補助金制度、そして中小企業金融円滑化法などの一定の効果もあり、多くの中小企業が最悪期を脱しはしました。しかし、各企業も競争や体力消耗が激しくなっています。

12月には円滑化法施行から1年となり、各金融機関へのヒアリングでも円滑化法によるこれ以上の追加融資は期待薄という回答。ましてやエコカー減税に代表される環境対策の補助金の終了、円高など、経済環境はまだまだ厳しい状況が続きます。

経営者は日本のみならず世界の経済動向にアンテナを巡らせ、情報分析が必要です。自社の事業計画とそれに伴う財務計画を見直し、手遅れにならない内に今後の資金繰りを迅速に進める必要があるのです。

 

(有)知多エッグ 中野滝宗