全国研究集会(3月3・4日)in 岡山 第8分科会
お客様に喜びと感動を
徳升 忍氏 (株)ドライバーサービス代表取締役
「呼び起こそう、経営者の魂を!切り拓こう、地域の未来を!」をメインテーマに、3月3〜4日、第41回中小企業問題全国研究集会が岡山市で開催され、全国から1117名、愛知からは51名が参加しました。
その中で、愛知同友会の副代表理事、徳升忍氏が第8分科会で報告者を務めました。報告内容の概要を以下にご紹介します。

サービス業の原点
3月3〜4日に岡山で開催された中小企業問題全国研究集会第8分科会に、愛知同友会副代表理事・徳升忍氏が報告者として登壇しました。
「安全快適な運転でお客様に喜びと感動を〜私たちが学び成長し、感動サービスを発見」と題されたこの報告では、一昨年の経済危機のもと、一度は落ち込んだ業績をV字回復させてきた経営体験から、サービス業の原点とは何かを考える分科会となりました。
ドライバーサービスの回復の最大の要因は、経営指針に基づいて経営者と社員がお互いの「想い」を共有したことにあります。今回の経済危機で給与カットを余儀なくされた時、経営指針書の冒頭に、徳升氏は次のような文章を書いています。
「利益目標を含めたすべての目標達成の最終責任は私にあります。(中略)社員のみなさんには方針や計画を実行する責任があり、だからこそ得られた成果を自分のものにできます。(中略)給与は、その働きに対する期待であり、賞与は業績の還元です。全員の努力で目標以上の業績が得られるよう、力を合わせて仕事に取り組んでいきましょう」
この言葉は、経営者に全ての責任があることは当然だが、社員にも現状を理解して彼らなりの責任ある行動を取ってもらい、全社一丸となってこの厳しい状況を共に切り拓いていきたい、そのような徳升氏の想いから発せられたものでした。
付加価値を付ける
結果、前例のない給与カットにも関わらず、社員は1人も辞めることなく自分たちの仕事を精一杯果たし、翌年には利益を出すことができました。減額分の給与も全て支給し、昨年の冬には賞与を渡せるまでに業績を回復しました。
仕事で大切なことは、自分自身の仕事にいかに付加価値を付けるかです。仕事を通じて生きがいや働きがいを見つけ、幸せを感じている社員だからこそ、「運転をする」ことに「お客様の喜ぶこと」という付加価値を見出せるのでは、と徳升氏は語ります。
何よりも、経営者自らが自社の仕事に誇りを持つことが良い仕事をする第一歩です。また、本当にお客様の喜ぶサービスは、幸せな社員でなければ提供できません。この仕事を通じて社員1人1人に「ここにいて良かった」と感じてもらえる会社にしていきたいと語る徳升氏の姿が印象に残る分科会でした。