東日本大震災調査のまとめ
 広範囲に間接影響が広がる

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愛知同友会では東日本大震災の影響アンケート調査を行っています。これまで3月、5月に行い、今後は7月、10月に行う予定で景況調査(四半期)ともリンクし、時系列で分析を進めています。今回は前半調査を要約した結果を報告します。

余震が東海地方に波及

本年3月11日に突如発生した東日本大震災は、史上稀にみる災禍を日本にもたらしました。愛知県では、特に自動車産業や建設業、旅行・広告・印刷業など広い範囲にわたり県内経済に多大な影響が及んでいます。

およそ90%の企業が被災地との直接取引はないと回答しているにも関わらず、80%の企業が「影響がある」「今後影響がある」と回答しており、震災の間接影響の大きさを物語る結果となりました。

この傾向は愛知中小企業家同友会「2011年5月末景況調査結果」でも顕著に見られています。震災後初めて行われたこの景況調査では、「今月の状況」9→▲22、「前年同月比」8→▲27と、業況DIの悪化幅は過去最大となりました。

先行き懸念が拡大

震災直後の第1回調査(3月25〜28日調査)に比べると、流通や生産、そして資材も動き始めてきてはいるものの、仕入ルートの強さや工程段階、取扱品目などにより回復度合には大きなバラツキが見られます。

一方で、供給不安と復興需要見込み等による材料の逼迫や価格高騰も起きており、仕事のキャンセルや工期延長による逆ザヤの発生も多くなりました。自動車工業会や自動車部品工業会による休日変更への対応など、中小企業にとってはコストアップや人員配置、資金繰りで厳しい経営判断を迫られています。

一時的な規制緩和による海外品の流入や調達先・協力先の変更、電力需給や立地などから工事や設備投資を中止する動きなどもあり、海外生産シフトなど先行き懸念が拡大しています。

また、本格的な復興段階に入った時期に、資材や官公需、仕事や人の動きがどうなるのか、サービス業などへの影響も心配されています。