西三河支部 障害者問題委員会との交流会(1月17日)
ここから物語が始まる
杉浦 昭男氏 真和建装(株)

物語を綴ろう
今年度から、西三河支部の障害者問題委員会「一社一人関わる会」が発足しました。会員の体験報告、雇用企業や養護学校の見学などの他、障害者と関わる中で生まれる、人間のあたたかさや豊かさを物語として綴っていくことにしました。
第1話は、杉浦昭男氏が自らの人生において、生きる価値を見出すまでの苦悶と、命の価値に気づき、人間回復を果たしてきた道のりを語りました。
人生の恩人
少年期に心に深い傷を負い、生きる価値を見失った杉浦氏は、出会いの中で薄皮を剥ぐように劣等感を克服していきました。やがて、暗闇の中に希望を見出し、22歳でペンキ屋として独立しました。しかし、商売がうまくいかなくなる度に、劣等感がよみがえり苛まれます。
この時、救ってくれたのが2人の障害者でした。自らの命を精いっぱい燃やす彼らの姿に、人間の素晴らしさが腹に落ち、その後の人生を支えてくれました。
経営者の責務
現在では、知的障害と自閉症の社員を雇用し、一緒に働く中で多くの気づきを得ているといいます。
例えば、あるホテルに宿泊した時のこと、知的障害の社員が言いました。「この会社の教育はすごいね、ぼくのような子にも優しくしてくれる」というのです。杉浦氏は「ぼくのような子にも」と言う彼の人生に思いをはせ、ことばを失いました。そして、絶対にわが社で彼を幸せにしようと誓ったのです。
よい経営者になり、よい会社をつくり、会社を永続して発展させることは、社会を支えるという使命の実践です。
同友会が、人間尊重を旗印に社会を支えるのであれば、弱い立場の障害者を支えることにむずかしい理屈は要るのだろうかと、一歩踏み出すことの意義を投げかけました。