障害者問題委員会(6月11日)
雇用サポートの実例から学ぶ

山﨑 尚樹氏  就労移行支援事業所マーム

 

自社の体験を報告し合う参加者

個性と仕事をマッチング

6月の委員会では、障害のある人を雇用する場合、企業側はどんな心構えが必要なのかを学習しました。

就労移行支援事業所は職業自立のサポートをしています。働きたい、力を試したいと考えている障害のある人たちが、その個性を生かすことのできる職場に出合うため、就労前の訓練から、就職後の本人や事業主に対してさまざまな問題のフォローをしています。

山﨑所長は、「雇用を考えたいが仕事がない、危険な仕事で難しい」と言われる企業に出向き、業務の細分化や仕事の切り出しを工夫し、新たな働く場を生み出しています。

就労する時間も段階をふまえて、まずは1時間、次に半日、1日、1週間、1カ月と徐々に延ばし、本人の体調や生活のリズムも整えながら進めていきます。

企業の不安を解消

企業の不安は、(1)雇い入れ、(2)初期の定着、(3)一定期間を経過した段階、(4)高齢化への対応の4点にあると考え、ハローワークの職員と一緒に企業を回り、仕事の作り方から制度の利用まで、本人も企業も親も安心して働ける環境を整えます。ハローワークの求職者情報で確認するポイントや、実際の仕事の切り出し方など具体的な事例から学びました。

現在、就労支援の事業所は名古屋市内に37カ所あり、合計570名の利用者がいるそうです。身近な支援機関が増え、企業側が自社だけで問題を抱え過ぎない体制が整いつつあることがわかりました。

 

(有)進工舎  田中 誠