金融アセスだより(第69回)

金融の基礎最終回は「リレバン」について、2回に分けて掲載します。

キャッシュフロー重視

リレバンとはリレーションシップバンキングの略で、金融の仕組みの1つです。2003年3月に金融庁が発表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」には、中小企業金融の取り組みとして6項目があげられています。

その中で「事業からのキャッシュフローを重視し、担保・保証に過度に依存しない融資の促進を図る」とあるように、企業の現在資産価値ではなく、将来の展望や経営者の人間性、金融機関とのコミュニケーションによって融資などが行われるように取り組もうという指導です。

金融の円滑化

銀行法第一条には、銀行の業務の公共性の中で金融の円滑化を図るとあります。その主なものに「金融の仲介と決済」があり、それが預金と融資です。国民の金融資産を増強し、経済の血液といえるお金を世の中に回していくのが役割です。そのために金融機関がすべきこととして、過小資本の取引先企業、つまり私たち中小企業に対して本業以外の部分についてもバックアップするというのがリレバンだといえます。

売上高・仕入額・社員が増えれば、中小企業にとって資金の需要はより大きくなることから、取引先の成長は銀行の成長につながります。

 

イスクラアセットプランニング(有)  二村 佐斗史