金融委員会 金融寺小屋(8月27日)
金融情勢と中小企業の今後

家森 信善氏  名古屋大学大学院教授

統計データを使いながら金融問題を解説する家森教授

「学んで実行!中小企業金融を味方にする」金融寺子屋が名古屋大学大学院経済学研究科の家森信善教授を招いて行われました。「リレーションシップバンキング(以下、リレバン)を始めとした金融情勢の現状と、中小企業に迫りくる変化」というテーマで60名が参加しました。

中小企業金融のあるべき姿

家森教授は、グローバル金融危機(リーマンショック)が国の財政危機につながるくだりから始め、日本では「信用保証制度」「中小企業金融円滑化法」などの政策により、なんとか持たせているという現状を説明しました。

出されたデータで興味深かったのが、バブル崩壊(1991年)までは、中小企業の収益率は大企業と同じ、もしくは良かったということで、中小企業はここ10年以上、潜在的に危機的環境下にあるという事実です。

そんな中で中小零細企業が潰れずにいられるのは、信用保証制度をはじめとした政策による部分が大きいといいます。来年3月には再々延長はない金融円滑化法の出口戦略は重要となってきます。

金融機関に対して、自社の現状と将来ビジョンを経営者自身がしっかり伝え、信頼関係を構築すること。その上で支援をしてもらうという、中小企業金融のあるべき姿の大切さを気付きました。

 

徳島興業(株)  徳島 孝志