障害者問題委員会(6月10日)
共に生き働く企業と社会へ I

北川 誠治氏  (株)キタガワ工芸

女性の活躍も目覚ましいキタガワ工芸の製造部

一緒にいるのがあたり前に

北川誠治氏は小さな頃から知人に連れられ福祉施設に行くなど、障害者は身近な存在でした。

5年前に新設した工場は、危険な場所をなくし、これなら障害者雇用もできると考えました。最初の雇用は北川氏の同級生で、大学卒業後に就職した会社を解雇され、障害のために再就職できずにいた人でした。その後、社内で障害者も含め地域雇用をしようと話し合い、気づいたら法定雇用率を達成していました。

仕事への誇り

現在、製造部には身体障害の社員が1人、知的障害の社員が2人います。仕事は、材料運搬・梱包・組付・端材の整理・道具の補充等で、就労条件、評価基準、賃金体系は皆と同じです。しかし、評価項目に「スピード」や「指導力」があるため、評価点が低くならざるを得ないことに気づきました。今後は、三者三様の得意とする仕事を考え、公平な評価になるよう見直していくといいます。

これまで社内で障害を理解する教育などはしていませんでしたが、彼らが嫌がらせをうけた経験があることを知り、経営理念に掲げた社風づくりが問われました。お互いを尊重するためには、障害について正しく理解することも必要です。

働きがいについて聞くと、彼らから「仕事をやりきる達成感」「お客様にありがとうを言われる時」「周囲に役立っていること」と嬉しい答えが返ってきました。中でも「縁の下の力持ちの仕事に誇りを持っている」とのことばは胸に響き、一人ひとりの可能性を発揮する風土づくりの決意を新たにしています。