金融アセスだより(第84回)

金融庁検査と格付

先頃、銀行員が組織内外の「敵」と闘う姿を描いたドラマ「半沢直樹」が話題になりました。その中で金融庁検査が行われる場面があり、「分類」という言葉が出ていました。

この分類は「格付」に基づいて行われるもので、格付は「金融検査マニュアル」で債務者区分と記述されているものです。私たち中小企業も金融機関から借入をすると、この区分に分けられます。私たちは格付に支配されているといっても過言ではありせん。

ドラマの原作小説は、この金融庁検査と格付を解りやすく表現しています。それによると、融資先を「安全な先」「ちょっとアブナイ先」「かなりアブナイ先」「もうイっちゃてる先」の4つに分け、「安全な先」なら問題ないが、「ちょっとアブナイ先」以下になると、倒産のための準備金である「引当金」を経費として計上する必要があり、これが銀行の業績を直撃する痛手になりかねないとしています。まさにこの通りで、私たちは自社に低い格付がされると、融資を受けることが厳しくなってしまうのです。

格付を上げて発展

よって格付を上げ、よい位置を保つことが重要で、企業の永続・発展のためには欠かせない要素といえます。また、よい格付を維持する方法を考え、実践することは、会社の課題解決と直結しています。

来る12月5日に開催される「金融寺子屋」では、格付や銀行の置かれている状況、中小企業の置かれている金融環境など基本的な部分をおさらいします。金融に課題や悩みを持つ方、理解を深めたい方は、ぜひご参加ください。

 

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