活動報告

広報部会(1月7日) 承継によって会社を潰しますか

荒川 亨氏  (株)石川製作所
荒川 和哉氏 (株)石川製作所

渡す側と継ぐ側の双方の想いが語られる

赤字会社を引き受けて

1月の広報部会は「承継によって会社を潰しますか」と題し、石川製作所代表取締役の荒川亨氏と後継者の荒川和哉氏を報告者に迎え、パネル討論形式で行いました。

荒川亨氏は、叔父から「従業員もいるし客先もあるので、辞めるわけにはいかないから何とかやってくれ」と頼まれ、借金のある会社を引き継ぐことになりました。「受けた以上、社会的責任が発生した」と自覚しています。

同友会の学びをどのように実践してきたかを問われ、「会社を継いだ際、教えてくれる人は1人もいなかった。同友会で経営指針書を作り始めたが、1文字も書けなかった。いろんな新聞をとって経済の動きや業界のことを学び、1年がかりで指針書を作り上げた」と振り返りました。

経営課題を問われた荒川氏は、「1社依存率99%というのが一番の課題。そもそも自動車産業自体が今後、EV化になったら部品が3分の1になると言われているので、もう1つの経営の柱を立てる目標を掲げている。また部品製造ではずっと下請けなので、自社製品を作りたいと考えている」と話しました。

次代に残したいもの

後継者の荒川和哉氏は、昨年4月に同社へ入社して承継に向けた準備を進めています。父親が会社を経営しているため、いつかは自分が継ぐことになるだろうと思いつつ、リーマンショックで苦労した姿は今でも印象に残っているといいます。

また、荒川亨氏は事業承継の失敗例として関連会社でのエピソードを挙げ、後継者である子供たちに株式を等分することは絶対にしてはいけない、トップは7割持たないといけないと力説しました。

グループ討論は何のために承継するのかをテーマとし、「技術ではなく理念や会社の存在意義を受け継ぐ」「自分がいつ死んでも会社が存続できるようにする」などが議論され、何を次代に残すのかを考える機会ともなりました。

まとめとして、中小企業庁でも事業承継に関するマニュアルやガイドが作られていることが紹介されました。魅力ある会社、継ぎたい会社にすることが承継の基本であり、そのために同友会で学んでいることを再確認しました。

ビレッジホーム(有)  青木 俊市