活動報告

農業部会「生産者と消費者をつなぐ」(10月8日)

農業で地域を変える

高橋 博之氏
(株)ポケットマルシェ代表取締役
「東北食べる通信」編集長

第一次産業の価値や使命を伝える高橋氏

流通を新たな形に

農業部会10月例会は、農業界が大きく抱える問題である、生産者と消費者をどう繋ぐのかというテーマで開催しました。報告者は、農業流通の新しい形をつくっているポケットマルシェ代表取締役で、『東北食べる通信』編集長の高橋博之氏(会外)です。

高橋氏は、全国に広がりつつある『食べる通信』(生産者を特集した情報誌とその収穫物の定期購読セット)の創始者であり、農業や地域経済の問題を描いた『都市と地方をかきまぜる』(光文社・2016)の著者でもあります。

農業の価値を伝える

報告は、現在の農業・食品を巡る世界情勢から、若者の食べ物に対する無関心さと、多岐にわたりました。多くの消費者が都市に生きていて、第1次産業の生産現場に触れたことがない、価値が伝わっていない。それが、生産者と消費者の関係を希薄にしていると、高橋氏は訴えます。さらには、食べることが生きることに結び付かず、ただの栄養補給(=工業的食事)になっていることにも警鐘を鳴らし、第1次産業はこの観念を変える、日本を変える先頭に立つべき存在であると、強く語りました。

グループ討論では、他力本願だった従来の販売・宣伝について反省するとともに、自社の最終消費者の顔が見えているか、見えている場合はどうコミュニケーションをとっているかについて討議しました。生産者の積極的な情報発信、自分たちに共感してくれる消費者をいかに増やしていくかなど、生産地域や販売方法においても仕組みづくりが大切であるといった意見も交わされました。

(株)にじまち  吉川 正