活動報告

広報部会「新たな事業機会の開拓」(10月7日)

何があっても諦めない

鳥越 豊氏  (株)鳥越樹脂工業

一社依存から脱却するためすべきことを報告

一社依存からの脱却

10月の広報部会は「新市場創造」をテーマとし、鳥越樹脂工業代表取締役の鳥越豊氏に報告していただきました。

創業時は自動車用樹脂部品を製造していた同社は、一社・一業種依存で、取引先の事情で突然の売上激減という危機に瀕します。そこで社員の協力も得て3次元CADを導入し、営業活動を始めます。「会社を存続させるために何をやろうか」と考えた結果、試作の技術を生かして小ロットの部品生産を始め、開発と営業の体制を構築しながら一社・一業種依存から脱却しました。

いろんな事業領域へ進出するにあたり、自社の強み・弱みを把握しなければ、開発も営業もうまくはいきません。そのためには自社を枠の外から見ることも大事であり、経営者がしっかり把握することが肝心です。

人との関わりを大切に

新たに立ち上げた健康美容器具部門については、大量生産を外注化して社内設備を新規開発と試作に集中し、OEM生産で事業化の目途をつけることで同部門の売上比率が伸び、1つの大きな柱となりました。また、多様な仕事に対応できるよう社外の協力会社と連携することで、レーシングカーのボディから始まり風力発電のブレード開発・製造にまで発展しました。既存客先の影響で航空機分野に参入することもできました。

これらは全て、人との関わりを大切にして会社の長期的な発展を目指す鳥越氏の行動にあります。今年の夏には、大手企業を定年退職し、鳥越氏と一緒に残りの人生を過ごしたいと入社してきた社員がいると報告。20年来の付き合いといいますが、正直に接してきたからこそ、お互いがパートナーという感覚を持てるまでの人間関係が築けたと鳥越氏はいいます。

新たな仕事の創出と、永続する企業づくりのために、「できるかできないかではなく、やりたいかやりたくないか」で物事を決め、数々の困難を強い意志と粘り強さで乗り越えてきた鳥越氏。この世にないもの・人の役に立つものを生み出せる企業になれるよう、「何があっても諦めない」と締めくくりました。

ビレッジホーム(有)  青木 俊市