活動報告

中小企業憲章制定9周年の集い(6月18日)

「中小企業憲章草案」とSDGsの親和性を学ぶ

中小企業憲章草案に照らした企業づくりを報告する浅井氏

憲章草案の今日的意義

「中小企業憲章制定記念の集い(以下、記念の集い)」が開催され、全体で53名が参加しました。9回目となった今回は、報告に浅井勇詞氏(アサイウッドマテリア・社長)、渡辺俊三氏(名城大学・名誉教授)が登壇。近年世界的な潮流となっている「持続可能な開発目標(以下、SDGs)」と、中小企業憲章草案(以下、憲章草案)に基づいた同友会らしい企業づくりとの間にある親和性を明らかにすることを通じて、憲章草案の今日的意義を確認することを目的に開催されました。

浅井氏は、リーマンショックで経営が危機的状況に直面するなか、それを乗り越えるために自社が向かうべき方向を憲章草案に求め、企業変革に取り組んできた実践模様を報告。その結果、憲章草案に描かれる高い期待に応えられる企業に近づくことは、近年のSDGsが提起する社会課題の解決に、本業を通じて向き合うことができる企業へと飛躍すること。そしてそれと同じ意味を持つことに立ち至ったことから、憲章草案の持つ先駆性について、自社の経営実践の観点から強調しました。

中小企業憲章草案とSDGsの共通性に聞き入る参加者

憲章草案とSDGs共通する理念とは

渡辺氏からは、同友会が中小企業憲章の制定を構想した段階の議論にまで立ち返った検討と、SDGs成立の経緯ならびにその目標から、憲章草案とSDGsが共通して拠って立つ理念を、「人類の生存権(人間が人間らしく生きる権利)を第一義的に考えるという思想」にあることが明らかにされました。その上で、常に時代の先駆けとなってきた同友会運動も、今や世界の潮流が同友会運動の理念に追いついてきたともいえる状況にあることを指摘。SDGsが述べている「すべての人々のためのより良い未来をつくる」、「誰一人取り残さない」という考えを共有する、これからの時代にふさわしい新たな中小企業憲章を構想する必要性について提起し、報告がまとめられました。

最後に、副代表理事の城所真男氏より、憲章草案の先駆性を改めて確認するとともに、(1)憲章草案を再度学び直すこと、(2)その理念を自社に取り込むこと、(3)新たな世界の潮流と憲章草案を相互に連関させながら憲章草案をより豊かにすることが提起され、集いの締めくくりとされました。