活動報告

「消費増税調査」価格転嫁や消費税納付の備えを

2019年10月より消費税率が10%となり、3カ月が経過しました。増税の各社への影響を明らかにし、今後の政策提言などに生かすため、昨年12月に消費税増税の影響を把握するアンケートを実施しました。

●調査期間:2019年12月10日~15日
●回答数:564社
●平均社員数:29.8名

増税分の販売価格への転嫁×業種

増税以上の費用上昇

原材料費(税込)の変化では、半数以上の企業で上昇し、そのボリュームゾーンは消費税率の引き上げ以上。経費(税込)の変化では、64.7%の企業で上昇し、直近1年間の業績では、「黒字基調」が半数以上ですが、売上の変化(前年同期比)では39.4%が「減少」しました。特に製造業が53.7%と売上が減少傾向にあり、今後の経営への影響が懸念されます。

価格転嫁は半数が負担

消費税率引き上げに伴う販売価格への転嫁は、「全てできた」企業は49.3%で、半数の企業が自己負担をしています。またキャッシュフロー面の消費税納付の備えは、全て積み立て済みの企業は26.6%に過ぎず、納付準備をしていない企業は全体で43.2%に及んでおり、資金繰りの対応ができていません。(グラフ参照)

なお、消費税の増税率は2%ですが、納付する金額は25%に上昇することになります。そのため、キャッシュフローを把握するなど資金操りに注意が必要です。

軽減税率、還元制度「再検討すべき」の声

軽減税率制度は、「再検討すべき」が65.6%を占め、その導入に伴う事務手続きや対応の煩雑さは深刻であり、中小企業にとって傾斜的に負担が重くなっています。

ポイント還元制度も「再検討すべき」が51.6%を占めました。ポイント還元とセットでキャッシュレス決済の普及が進められていますが、還元期間が終了後には資金的負担が増加し、利益を圧迫することが予想されます。