調査・研究・提言

がんばれ!社長シンポジウムに450名

980612Sympo01六月十二日、中小企業振興会館で「がんばれ!社長シンポジウム」が開催され、会外参加者を含め450名が参加しました。
これは「政策不況」と言われ、経営環境が一層厳しさを増している中、銀行の貸し渋りへの具体的な対策を含め、どう乗りきるのか、「一社だけで悩んでいないで、一緒に考えていこう」という主旨で行なわれたものです。

 

それぞれの観点から

金融機関の貸し渋り対策や、今後の経営戦略などについて、元大手都銀融資課長で、㈱日本ビジネスクラブ社長の宮本孝氏(東京同友会会員)、現役銀行マンである浦野弘氏(銀行産業労働組合・副委員長)、愛知同友会会員の江崎信雄氏(㈱江崎本店・社長)と加藤明彦氏(エイベックス㈱・社長)の両社長の4人をパネリストに迎え、会場発言を含め、3時間にわたる熱心なパネルディスカッションを行いました。

銀行依存の経営からの脱却
そして論争もできる経営者に

「借金整理マニュアル」などの著書があり、リスケジュール(銀行への返済計画変更)の専門家である宮本孝氏からは「貸し渋りは、今後一層ひどくなる。中小企業は自衛のためには銀行に依存する経営からの脱却が必要」と述べるとともに、生活と経営を守る観点から、具体的なリスケジュールの手法を約40分間にわたって報告しました。
浦野弘氏は銀行労働者として金融機関の社会的責任を問う立場から発言。ある都市銀行の例として12段階の、信用格付ランクを紹介しました。
そのうえで「中小企業向け融資は金利が高く、銀行はいじめながらも、不要とは思っていないはず」と述べた上で、「銀行としっかり論争ができる会社になってほしい」と、経営者の学びと企業指針の必要性を強調しました。

現役社長である江崎氏と加藤氏からはそれぞれの立場での企業の経営の現状と今後の経営戦略を語りました。

四項目のアピールを採択

980612Sympo025月末に行なわれた経営状況をたずねたアンケートの結果も紹介され、「貸し渋り」を経験、心配している経営者が合計で40.7%。新規融資をことわられたのが、59.5%。消費税率アップが不況に大きな影響を与えたとする人が、66.4%などの結果がでています。
最後に、4項目アピール文を採択し、閉会しました。
なお当日は、会外経営者が84名参加し、当日その場で4名の方々が入会されました。
なお当日寄せられたメッセジと「アピール」は以下の通りです。

寄せられたメッセージ(到着順)

  • 社会民主党愛知県連合 殿
  • 公明愛知県本部 本部長 武藤 辰男 殿
  • 自由党愛知県総支部連合会 会長 青山 丘 殿
  • 日本共産党愛知県委員会 文教福祉部長 八田 ひろ子 殿
  • 民主党愛知代表 さとう 泰介 殿
  • 自由民主党愛知県支部連合会 殿
  • 中小企業家同友会全国協議会会長 赤石 義博 殿
  • 青木 雄二 殿(元漫画家「ナニワ金融道」著者)

「がんばれ社長シンポジウム アピール」

中小企業は国の宝である。それは日本の経済の中で確固たる位置を占め、生産と技術を支え、きめ細かい流通を確保し、国民に多大な富とサービスを提供している。
全労働者の約八十パーセントを擁する中小企業は国内最大の雇用者であり、一方で地域社会の文化の重要な担い手でもある。自らの理念を勤勉と努力で実践し、「自立・自助の企業家精神」で世界に賞賛される現在の地位を築いてきた。
今、この中小企業が、戦後最大の不況の中で倒産、廃業、整理に揺らいでいる。消えていく企業の数は、生まれる企業の数を上回り、先行きの見えない経済は企業家精神を萎縮させようとしている。
私たちは、中小企業の活性化こそ日本経済再生の道であることを信じている。すでに先進各国は中小企業振興を経済政策の重要な柱とした。
本日ここに参加した中小企業家は、「自立・自助の企業家精神」を奮い立たせるための四つの政策を緊急に要望する。

一、消費税五パーセントを三パーセントに見直し、国民の消費意欲を生み出すに足る減税をすること。
二、三十兆円もの、中小企業を含む国民の財産を、本来経営の自己責任を持つべき民間金融機関に投入する以上、けっして「貸し渋り」などを起こさないように銀行を指導すること。
三、公的金融機関の貸付規模を拡大し、担保主義をやめる等、融資条件を中小企業の現在置かれている実態に沿って緩和すること。
四、公共投資十六兆円を、在来の大型開発にとらわれず、地域・生活密着型に投資し、その五○パーセント以上を中小企業が直接受注できるよう、幅広く参加できるシステムに創り上げること。

一九九八年六月十二日
愛知中小企業家同友会 がんばれ社長シンポジウム 参加者一同