調査・研究・提言

1998年度愛知県中小企業政策に関する要望

愛知中小企業家同友会では1998年度の愛知県の中小企業政策に対して以下の要望を提出しました。

1998年度愛知県中小企業政策に関する要望

愛知県知事 鈴木礼治様

はじめに

 戦後最悪の不況が解決の展望もなく広がっています。必死の経営努力にもかかわらず、多くの企業が倒産、廃業の憂き目にあっています。一つの企業の倒産は、新たな不良債権となってドミノ倒しのように健全企業をも急速に体質悪化に導いております。中小企業の業容悪化に比例するように、県下の失業者数も急増し、県財政をもむしばみつつあります。これに歯止めをかけ、七百万県民の暮らしを安定させることは、行政にとっても、多数の勤労者を預かる中小企業経営者にとっても、急務と考えます。私たちは日本経済の新たな繁栄のため、より一層経営に努力し、経営者の責務として地域経済と雇用を守るために最善を尽くします。そのために以下のことを緊急経済対策として要望します。

1.金融支援へのお願い

(1)今年八月二十八日、閣議決定に基づき実施された「中小企業等貸し渋り対策」について、真に実効あるものとするよう、信用保証協会および窓口となる金融機関との連携、指導を強化して下さい。さらに、県による直接融資を拡充して下さい。
(2)中小企業の財務体質強化を支援、指導して下さい。本来の経営活動に集中できるよう、希望する企業には貸し出し中の資金二年間の元本返済凍結を行って下さい。
(3)経営者の経営能力、企業の技術力、開発力、市場性等、企業全体を総合的に評価し、有効な融資を行って下さい。とりわけ、物的担保優先主義を是正して下さい。
(4)融資資格の拡大を行って下さい。具体的には、商工業振興資金の融資対象者資格を、中小企業基本法が定める中小企業の範囲に基づき、従業員数を工業で三百人以下、商業・サービス業で五十人以下まで拡大して下さい。
(5)第三者保証は時に、融通手形のように保証人の間の貸借を誘発します。中小企業金融安定化特別保証(貸し渋り対策特別保証)制度の実施にあたって保証要件の緩和が図られていますが、これを当該制度に限定せず、公的制度融資全般に拡大して下さい。保証人制度はこれを廃止して下さい。

2.仕事確保のお願い

(1)県行政に関わる一般購入および公共事業には、中小企業の直接受注がいま以上に拡大されるようにして下さい。
(2)プロジェクトの規模により、県外大手業者をやむをえず使用する場合においては、県内の中小企業がジョイントできるよう指導して下さい。
(3)不要不急の大規模プロジェクトは、この緊急事態に鑑み、これを中止あるいは先送りし、中小企業の活性化に役立つ生活関連事業を中心に即効性のある経済政策を行って下さい。

3.愛知県の「財政危機宣言」に伴うお願い

(1)「財政危機宣言」に伴う歳出カットは充分理解できますが、経済活性化による県税収入の拡大こそ、もっとも肝要な危機対策と考えます。中小企業関連の予算を削ることなく、これを実施して下さい。
(2)「財政危機宣言」によって中小企業および県民へのサービスが低下しないよう、留意検討して下さい。

1998年11月10日
愛知中小企業家同友会 会長 佐々木正喜