
新年のあいさつ
自助努力を軸に「3つの目的」の実践を
会長佐々木正喜
回復のきざしが見えない中で
今年は20世紀最後の年であり、2000年代最初の年でもあるという記念すべき年であります。しかしながら、この記念すべき年も、バブル崩壊後の回復の兆しがいっこうに見えないままに迎えてしまいました。ここ数年の間に、金融機関や建設会社など上場企業の倒産も相次ぎ、社会に大きな不安が巻き起こっています。こういう状況では、消費もなかなか進みません。いただいたカレンダーも、例年になく少なくなったような気がしています。もともとは「企業の再構築」という意味のリストラクチャリングが人減らしの意味に使われ、「リストラが発表されると株価が上がる」という現象さえ起きています。今もリストラは継続され、失業率の改善も見られません。昨秋の国会は「中小企業国会」と銘打って、中小企業基本法改正の審議が行われました。過去においては「中小企業が大企業と比較して劣る部分を是正し、保護育成に努める」という観点からこの法律がつくられました。しかし今回の改正では、格差是正や保護育成は不要になったという見方から、元気のいい中小企業やベンチャー企業、そして起業家への積極的支援策のみが目立ち、「元気のない中小企業は」と考えさせられたりもします。
自分達の城は自分達で守る
私たち同友会は3つの目的の中で、強靭な経営体質を持つ会社づくり、より人間性豊かで尊敬される経営者になること、中小企業をとりまく経営環境の改善に力を注ぐことを誓っています。それらを自助努力をもって達成させることも強調しています。経済政策が中小企業にとってどんな形で表れてくるのか予断はできません。しかし、どのような環境になっても、自分達の城は自分達で守るという気概を持ち、将来に対して注意を払いながら、明るい希望を持つことが大切と思います。皆さまにとって、今年こそよい年でありますように。