雨あがり(オーストラリアにて)
雨あがり(オーストラリアにて)
降り続いた雨があがり、薄日が差し込む。まるで新しいページを1枚めくったかのように、気持ちを一新してくれる。こんな気分を1年に何度となく味わえるのだから、実に幸せな国だ。ジャングルや砂漠の国では、こうは行かないだろう。近頃世の中も少々ゆがんできたようだが、せめて自分の気持ちだけは、いつも雨あがりの気持ちでいたいものである。
写真と文:名古屋第3青同S・S
どうゆうき
▼愛知同友会の五月末景況調査によれば、業況は九六年十一月以来の「水面浮上」となった。業況・経常利益・売上高の各指標とも改善を示しているが、この要因として「よい」が増えたのではなく、「わるい」が減少しているからとしている
▼堺屋経済企画庁長官は「景気は飛行機にたとえたら離陸はしたが、脚はまだ格納できない状態」と発表。「本格的な景気の回復にはまだ先になるとの見通し」と付け加えている。私たちの周りで「回復した」という実感はあまりない。「売上は伸びているが、利益が回復しない」とよく耳にするようになってきたが、この事が本格的な回復の一歩手前なのか
▼一方、我が暮らしや経営環境は、まだどん底の横這い状態を脱することはなく、低迷の連続。仕事はあってもポツリ、ポツリの状態。今をこなせば先の見通しはなく、単価を押さえ、無理をしてとった仕事は分配すれば、「安く」「速く」終わってしまう。介護保険料は待ったなし、経営を圧迫する材料は山積みである。また「IT革命」に乗り遅れまいとキーボードに向かうと固まる画面。まったく四面楚歌の時代。こんな時は同友会に顔を出せばいいのは、頭では分かっているが…
▼今までやってこれたことを静かに考えてみると我が社の経営資源は、そして強み、弱みは、経営に対する柔軟性は…。時代と共に変化してきた歴史を回顧し、きたるべき二十一世紀まで後百八十日余り。軟体動物のごとく少し体をずらして(変化)してみようか。そして見えてきたら脱皮を心掛けて。また、自社の「IT革命」後の姿を想像しながら。
報道部 長舟越信三