山本名古屋支部長に聞く(広報委員会 6月23日)
「中小企業都市なごや」をめざしたい
本年四月に支部の再編成が行われ、名古屋・三河・尾張という三支部体制となった。これは地域との密着感を強めるため、行政単位でまとまることを目的としたことで、これからは地区の再編成も予定されている。広報委員会はこうした中、各支部がどのような方針で具体的活動を行っていくのか等について、新支部長に聞いた。第一回は名古屋支部の山本英司支部長(丸石エンジニアリング(株)社長)を招き、約二時間にわたって語ってもらった。
●なぜ「自立」と「地域」なのか
山本支部長は冒頭、「自立型企業」「地域社会とともに」という「99同友会ビジョン」の「二つの旗印」を引き、自らでまとめたその背景を事細かに解説。現在は「マスの時代」から「パーソナルの時代」へ移行したと語る。マスの時代における負の遺産は構造不況、環境問題、雇用問題、教育問題、没地域問題であり、対立を好まず二社択一の文化となった。しかし、これからは「あれも、これも」の考え方が大切で、両立させてこそ生き残れる。このような失われたものを取り戻すのが、「99同友会ビジョン」の「二つの旗印」である。これからのパーソナルな時代は、専門に特化した人と人がネットワークを結び、顧客志向の各マーケットをターゲットにしなければならない。それには、情報インフラが必要となり、アナログとデジタルをともに駆使しなければならない。同友会も新しい時代に対応できるようなネットワーク構築と実践を積み上げていき、知識や知恵をボトムアップできる新インフラ構築が必要であり、支部は「研究会を充実させ、地域との接点」づくりを、地区は「学びと人脈づくり」の場とする。
●始動する産官学の連携
具体的な動きとしての目玉が、産官学連携の構築にありそうだ。この目的は市場創造であり、雇用創出と地域貢献である。具体的に言うと、産官学の「産」とは私達同友会企業、「官」とは「名古屋市市民経済局」、「学」は愛知の私学である。(国公立大学は大企業と結びつきがある)山本氏は大同工業大、名城大学、中部大学、愛知工業大学などとすでにコンタクトを取っており、連携は始まっている。愛知工業大学とは、パソコン組立講座を六月から始め、また、日本福祉大学とは以前より青年同友会等での協力関係がある。では、各区との連携はどうかといえば、名古屋市の場合、区単位ではさほど権限はないが、各行政区で『出前トーク』が行われている。「街づくり推進室」は主幹クラスが市からきているので、かなり意見交換ができる。市の二○一○年計画では、創知産業都市づくりをめざしているし、各区独自の目標や課題をもってやっているので、相乗りするような形で地区でも連携を進めて欲しいとのこと。この産官学連携をテーマにした「中小企業サミット」(現在は行政と商工会議所が中心)を同友会を中心として名古屋でも開催し、「中小企業都市なごや」をめざし、全国にアピールしたいとの意欲を示した。
●内外を問わず精力的に訪問
その他には、ネットインテンド(net・intend)が六月三日に旗揚げし、将来産官学連携にもつなげる事例になるかもしれないし、新年には賀詞交換会を行い、講演会などの行事を中心にした交流を行っていく。また、これからの活動を支える事務局へはデータベースの構築とその活動の明確化をのぞむとしているし、委員会とは、すでに意見交換が始まっており、いっそう研究会を中心にした連携を深めていくようだ。以上のように山本支部長は、僅か二〜三カ月で精力的に各行政、学校、各種団体を回り,ネットワーク構築を図ると同時に、会内各組織との連携を行っている。また各地区の役委員会や例会にも参加し、この新支部方針を自分らが語りかけている。精力的に活動する山本支部長の活動を報告することで、少しでも早く支部の方針や新体制が会員に浸透することを願っている。今回は名古屋支部でしたが、次回は尾張と三河の両支部長に聞きます。
【広報委員・加藤昌之】