白夜の国を訪れて(北欧旅行記)7月6〜12日
牧野伸正牧野伸正司法書士事務所(安城・知立地区会長)

夏休み前倒しして、仕事も同友会もしばし忘れ、白夜の国ノルウェーと酪農の国デンマークなど、一週間の北欧旅行をした。ノルウェーの首都オスロは日中でも二〇度という涼しさ。まさに楽天地。トナカイのステーキはいただけなかったけど、オスロは森の中に点在するリゾート地のような街。ノルウェー人はみな背が高く、女性でも百八十センチはあり、スラリとしたナイスバディ。オスロの国立美術館は入場無料で、作品はあのムンクの「叫び」や「マドンナ」など主要な作品が目の前に展示されている。展示方法も日本のようにガラス張りで離れて観るのではなく、間近でタッチできる位置で鑑賞できた。(写真参照)まるで小学生の絵の展覧会でも見るようにサラリと展示されている様は、この国のおおらかな国民性を感じた。他にもゴーギャン、ピカソ、ルノアールなどの作品が同じように展示されていた。
「百聞は一見にしかず」(フィヨルド・クルーズ)
ノルウェー第二の都市ベルゲンは昔、干しダラで栄えた港町。十八世紀ハンザ同盟時代の建物が立ち並ぶ風景は、まるで絵本の世界そのもの。近年世界遺産にも登録された街で、港の市場では水揚げされたばかりの海産物でいっぱい。地元の人と観光客でごった返す朝市で、採れたての海の幸をサンドイッチにしての食べ歩きは、旅ならではの醍醐味。白夜の夏は夜中の十二時まで明るく、一年が一日のごとく、夏は昼、冬は厳冬の夜という感じだ。この街で泊まったホテルで大失敗をしてしまったが、とても恥ずかしくて書けません。ベルゲンから今回の旅のメイン・イベント、フィヨルド・クルーズに行きました。その景色のすばらしさは言い表せません。「百聞は一見にしかず」です。一週間病気で入院したと思って、ぜひ一度訪れてみてください。
政府の透明性が高い国(デンマーク)
最終地は酪農の国デンマークの首都コペンハーゲンです。ユトランド半島の本土以外に、あの世界最大の島グリーンランドがデンマーク領であることを、今回、初めて知りました。デンマークの日本大使館を訪問し、参事官の飯野達郎氏よりデンマーク事情をお聞きしました。デンマークは小さい国だから、みんなが知恵を出して工夫をする。何もやらないより、失敗してもやることに意義を認めます。デンマークは社会保障が整った国といわれている。教育費、医療費、福祉費等はすべて無料。老後の不安はないし、一人の障害者に一〜二人のヘルパーがいる。その代わり税金は所得税五四パーセント、消費税二五パーセント。高い税負担だが、政府の透明性が高いので、国民が政治を信頼しており、日本のような超経済大国といわれながら、政治は三流の国民に信頼されない国とは違うと報告を聞いた。
コペンハーゲンの夜景を見ながら
その夜、コペンハーゲンの駅前にある有名なチボリ公園に行き、短い夏を夜更けまで思い切り楽しんでいるデンマークの人たちと一緒に地上五十メートルから垂直に落下するコースターに乗り、コペンハーゲンの夜景を見た。この時、自分の「探し物」は何だろうと考えた。数秒後コースターは垂直に地上めがけて落下をはじめたが、なんだか夢の中にいるような気がした。