中小商工業フェアに参加して(9月2・3日東大阪)
次世代への飛躍の鍵を見た
助川雄助川鉄工(株)社長(尾張北青同)
9月2・3日、これからの中小企業にとって不可欠な創造的技術積み上げられた技能、その上で21世紀に不可欠なネットワークに取り組もうと、「中小商工業フェア」(大阪商工団体連合会創立50周年記念)が、東大阪市の「東大阪アリーナ」で開催されました。
●「ものつくりおもちゃ箱」ブースに出展
当日は大阪を中心に約150の中小企業や団体が出展し、私が参加したブースは約20社が自社の開発商品や特殊技術を持ち寄りました。これは大阪府立産業開発研究所研究員の中村智彦氏が、川崎市下野毛地区に端を発する「ものつくり共和国」や埼玉県草加市の「うるおい工房村」、埼玉県上尾市の「上尾ミニ工業団地協同組合」などの各地のネットワークグループに声をかけ、できあがったものです。わが社にもメーリングリストでの呼びかけがあり、参加しました。さて「ものつくり共和国」は川崎市高津区の下野毛地区にある中小の製造業の2代目経営者11名が立ち上げたホームページから始まり、仲間が広がり、今では約300名が登録、うち約100名がメーリングリストを活用しています
●WWWにふさわしい集まり
今回の展示会では、個々の会員の会社が持つ技術をお互いに知りあうと共に、対外的には、インターネットを通じて実際の商業ベースとしての経過とその異業種間交流のまとまりの成果を披露することができました。懇親会では普段メーリングリストでやりとりはしているものの、実際に初めて会う方も多く、自社の詳しい説明や日常の会話に花が咲きました。いわゆるオフ会(オフラインミーティング)と呼ばれているものです。その場には母国カメルーンで自動車整備学校の教師をするための「JAICA」からの研修生も参加し、まさにWWW(world wide web―全世界的なくもの巣)にふさわしい集まりとなりました
●「自立」「地域」「ネットワーク」が凝縮
2日目のシンポジウムではコーディネーターに京都創成大学学長の二場邦彦先生、シンポジストに中村智彦氏を始め、京都西新道錦会から安藤宣夫氏、大阪府中小建設業協同組合前理事長の美馬茂一氏という3氏が登場し、「モノつくり・商店街・地域経済」というテーマで報告されました。またこれらの経緯は日刊工業新聞発行の「中小製造業のネット活用戦略」にも詳しく掲載されています。一度ご覧下さい。ここには同友会が今まさに取り組もうとしている「自立型企業」「地域密着型企業」、そして「ネットワーク型企業」というものが凝縮されているように思えました。シンポジストが地元の方ということもあり、「他の都会に比べて考え方が遅れているのでは」といった手厳しい意見もありましたが、大阪商人の力強さをひしひしと感じることができました。また各団体やグループがこぞってNPO法人をめざしていたのにも驚かされました。私たちがこれから取り組もうとしているあらゆる事業や研究会などは、これらを先んじている様々な団体と、いかにうまく絡みあい、情報や人材を得られるかにかかってくると思います。私たちには他の団体にはない確固たる同友会理念があります。その理念に基づき、今までの活動から次世代への活動へ飛躍する鍵を、東大阪に見たような気がします。