全県学習会 「外形標準課税」とは何か〜どうなる、日本の税制(11月20日)
湖東京至氏(静岡大学人文学部教授)
●政府税調中間答申で「外形標準課税」導入が
7月に出された政府税制調査会の中期答申をもとに、今後税制がどう変わっていくか、「外形標準課税」や「消費税増税」などの今後についての学習会が開催され、参加した三十二名は湖東先生の軽快な語り口での2時間にわたる報告に聞きいりました。この答申では法人事業税の外形標準化として、「事業活動価値」(利潤+支払給与+家賃・地代+支払利息を言います)に平均税率を一律2〜4パーセントをかけようとしていること、赤字法人にも大きな税負担となること、商工会議所がこの導入に反対している理由などが、詳しく説明されました。
●だれのための税制改革か
消費税についても触れられ、ヨーロッパ諸国の消費税水準(15〜20%)を例にあげ、国の考えているのは中小事業者特例および簡易課税制度の縮小、仕入税額控除方式のインボイス方式への変更や毎月申告・毎月納税などが検討されているとし、「財政再建のため」と大義名分を言って簡単なところ、取りやすい庶民や中小企業から広く徴収しようとしているだけだと指摘されました。「外形標準課税とは何か」から始まり、現在の政府の不公平な税制や大企業への優遇税制、中小企業税制の問題点等について具体的な数字を示しながら語られました。最後に、アメリカでは大型間接税なしに、また増税なしに財政再建をやり遂げて経験があるとも語られ、今後の日本の税制のあり方について示唆されました。