どうゆうき


▼先日「研究財団8周年の集い」に参加し、朝日中小企業経営情報センターの相川直之氏の講演を聞く機会があり、なる程と思いました。昨年主要15行に7兆円の税金を投入し、20兆円の特別保証枠をつくったにもかかわらず、中小企業の倒産は留まるところを知りませんが、この原因が金融庁の「検査マニュアル」にあったからです
▼氏は週刊誌の記事(検査官と銀行の担当者とのやり取り)を引用し、「苦しい所は潰れればよい」「潰れそうな所に資金援助するなんて無駄な行為」という内容を紹介。「まさか」と誰もが思いますが、実際に行われているそうで、「私どものところでも金融庁の検査は怒鳴りあいなのです」と、相川氏は生々しい現場の出来事を語られました
▼「検査マニュアル」による融資先のランク付けでは私達中小企業はどう格付されているでしょうか。良くてランク7「債務履行は現在問題ないが、財務内容が相対的に低位にある中堅中小企業」で、正常な融資先の最低位です。その下のランクは「要注意先」となり、融資がなされなくなります。銀行の資金は余つているのに貸出先がないと言われるのもこの格付があるためで、いつ「要注意先」となり、資金が絶たれるかわからないという状態に私達はいるのです
▼同友会では検査マニュアルの一律適応の見直しとペイオフ解禁の実効猶予、金融アセスメント法制定という三本柱の金融政策を提言しています。経済の血液とも言える金融、その問題を学び、同友会三つの目的の一つである「経営環境を良くしよう」という運動に共に足を踏み出しましょう。

報道部村上e樹