どうゆうき


▼青少年の健全な育成を目的に活動しているある団体の講演会に出席しました。「お母さん、子供に必要なこと伝えていますか」と題した講演でした。過去の日本の教育は教師主導型であり、例えば子供に「お母さんの顔を描きなさい」というと、髪の色は黒、肌は肌色、口は赤と決まっていました。つまり画一的な教育だったのです。こういった環境では自由な発想を持った子は肩身のせまい想いを強いられ、のびのびと育ってきませんでした
▼その事に気がついた国はやっと自由の重要性を唱え始めたのです。ところがそれを指導する立場の人間が過去の教育で育っていますから、自由という名の下に、「放任」の教育をしてしまったのです。つまり、自由に伴う「責任」の教育を忘れてしまったのです。加えて心の教育も置き去りになってきました
▼一方、新聞を開けば青少年の凶悪な犯罪が目に飛び込んでくる昨今、今の若者すべてが悪いような風潮が見うけられますが、そうではありません。前述の団体が先日行なった発展途上国の恵まれない子供たちへの街頭募金に参加した時のこと、多くの人が素通りしていく中、意外に若者、それも日頃私達が眉をひそめる茶髪の若者が仲間に声をかけあって、カンパしてくれたのです
▼その光景を目の当たりにし、私の若者感も変わりました。すばらしい若者も育ってきているのです。若者を非難する前に、私達大人も自分自身を見つめ直す必要があります。「良いおかあさんは自分が示す」という言葉に、同友会の「共育」の考え方を重ねあわせて見てしまいました。

報道部 服部庄三