どうゆうき


▼「純ちゃん」内閣の支持率が高い。今までとは違う、何かやってくれそうだ、という期待感はわかる。政治を身近に感じるようになったという街の声も貴重だ。しかし、一方で手厳しい批判があるのも事実だ。まだ、何をした訳でもなく、改革とそれ故の痛みを言いつのるだけではないかと。曰く、メニューだけ見せて料理を作れない三流レストラン。ただし、最新メニューの「骨太」は、材料は中小企業、しっかり煮つめて骨にするという結構手の込んだレシピである
▼折しも、6月の月例経済報告は「景気悪化」を認めた。実際、五月末の愛知同友会景況調査報告でも「景気急下降〜前年比『悪化』企業が過半に」という極めて刺激的な見出しが目につく。一方、同じ五月末発刊の2001年度版「中小企業白書」のメインキャッチコピーは何と「目覚めよ!自立した企業へ」
▼言われなくても、我々は遠の昔に目覚めている。頑張れ、というお説教だけではどうにもならない状況こそ問題なのだ。論より証拠、企業数による開廃業率の逆転現象は拡大こそすれ、改善の兆しはない。アメリカ、EUに比べて圧倒的に低い開業率をどう見るのか、白書はデーターだけ開示して対策を示さない。同友会おなじみの山口義行教授がある誌上で「小泉流構造改革とは要するに『中小企業の整理・淘汰』」に帰結する可能性を指摘している
▼日本の中小企業はすでに十分痛んでいる。「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」と貴の花だけでなく、我々にも言って、さっさと金融アセスメント法の一つも作って欲しいのだが、どうだろう。

政策委員長 斎藤泰