暑い名古屋で熱い学びを
来年の全国総会は愛知で開催
第33回全国総会開かれる(7月12、13日、北海道)
愛知同友会の組織活動が報告
第33回定時総会が7月12・13日、北海道札幌市で開催され、全国44同友会と中同協から約1500名が、愛知からは59名が参加しました。総会議案の後、20の分科会が行われ、第3分科会では愛知の鋤柄代表理事が「会の内外の要望に広く深く応える支部活動」と題し、自身の同友会での学びと企業での実践、愛知同友会の組織づくりについての報告を行いました。
いよいよ来年に
懇親会では北海道の海の幸に舌鼓を打った後、来年7月11・12日に地元愛知で開催される第34回全国総会のPRを、愛知からの参加者全員が壇上にあがって行いました。2日目の全体会では愛知の福谷副代表理事からの「暑い名古屋で熱い学びを」と参加の呼びかけがなされました。参加した愛知の会員も「いよいよ来年は、われわれ愛知だ」と総会への意気込みが高まっていました。
中同協第33回総会(北海道)第3分科会
会の内外の要望に応える同友会とは

鋤柄修氏(株)エステム・社長(愛知同友会・代表理事)
〈プロフィール〉(株)エステム
●創立1970年
●資本金6600万円
●社員数283名
●年商31億円
●事業内容水処理施設受託管理、水処理プラント設備施工管理
この分科会では鋤柄代表理事が自身の同友会での学びと企業での実践、愛知の組織づくりについて報告を行いました。参加者からは、「同友会活動すべてを学ぶ場とすることが大切」「入会した目的を思い出した」など、同友会と企業経営が不離一体とすること大切さが確認されました。また、2日目の全体会では「同友会運動に課せられた21世紀の課題」と題してパネル討論が行なわれ、赤石中同協会長、大久保北海道同友会代表理事と鋤柄代表理事がパネリストを務めました。
組織活動を学ぶ
まず申し上げたいのは、役員の皆さんは同友会の中で組織活動を学んでほしいということです。中小企業の最大の弱点は、組織化ができていないことです。社長はつい自分でなんでもやってしまいますが、実際は「できる」と錯覚しているだけです。個々の役割を明確にすることが大切です。愛知同友会でいえば、地区会長は「初級管理者」、支部長は「中間管理職」、副代表理事は「重役」といったところでしょうか。同友会はその役割すべてが学べる、中小企業にとってまたとない組織です。
ライバルとの出会い
同友会に入会するきっかけは、創業十年目の年に労働組合ができたことでした。きっかけは創業9年目に出した特別賞与でした。社員をABCの3段階に評価して差をつけて渡しましが、基準が明確でなかったことが社員の反感を買ったのです。そんな折「愛知同友会が経営理念の成文化をしています」という小さな新聞記事が目にとまり、すぐに入会しました。その年の役員選考で地区役員に、翌年は広報委員になりました。ここで、現愛知同友会会長の佐々木さんと出会います。佐々木会長とは今でも何かにつけてライバルで、お互いの経営について良い意味で張り合っています。こうした仲間をつくり切磋琢磨することが大切です。
組織は人をつくる
その翌年、地区の副会長を引き受けましたが、期半ばにして地区会長の会社が倒産、早速、会長代行に、その後の地区会長になりましたが、地区会長と副会長では天地の差がありました。地区会長になると方針を出さないといけません。方針通りに動いてもらえないと、「方針が間違っているのか」と孤独感に悩まされます。会社と同じです。また出席者3名という地区例会を経験しました。こうなると、もう開き直りです。「会員さんはお客様だ」と思うようにし、「例会に出席してください」と一軒一軒企業訪問をしました。おかげで20名程の例会を行うことができました。こうした巻き込みが後々になって活きています。「組織は人をつくってくれる」ことを実感しました。
語り部をつくる
いまから10年前の30周年を機に、愛知同友会では様々な活動改善を行ってきました。また一昨年4月、「99同友会ビジョン」を発表してからは「自立型企業づくり」「地域に根ざした組織づくり」「役員育成の同友会研修大学」「研究会」など、様々な取り組みを進行させています。特に「同友会研修大学」では、自社の企業経営と同友会理念を結びつけて実践している役員を多数増やすこと、いわば将来の同友会の幹部を育成し、同友会運動の「語り部」を増やすことを目的に2期目を迎えています。
活動の重点は変わる
また、研究会では異業種で商品開発を行う「エントロピー豊明」、金属加工に関する企業が仕事の協力を行う「三河支部金属部会」、高齢者向け商品の企画・販売を行う「高研」など、お互いの知恵をあわせた仕事づくりも活発に行われています。ややもすると同友会の運営だけしているということを聞きます。ぜひ「共通の課題で集まる研究会」がもっと活発になればと思っています。このように愛知同友会はつねに「改善」です。会の理念は変わりませんが、時代と共に活動の重点は変わります。会社も同じです。企業理念そのものは変わりませんが、具体的方針は変化するのです。
経営と同友会のリンク
私は会員さんに当社の見学をどんどんやってもらっています。そしてチェックしてもらっています。つい先日も当社を見学された方からメールが入りました。「ホームページの内容が古いね」といわれました。行事紹介が6月から更新されていなかったのです。このように同友会同志でお互いの会社をチェックしてもらってください。社内では気づかないことも、外部からの指摘で明確になります。同友会の仲間は会社の悩みを一緒に解決してくれる同志です。ぜひ同友会と経営をリンクさせて同友会活動が楽しくなるようになって下さい。
座長のまとめより(鈴木孝典氏)
「同友会のサイクル」を確認したいと思います。(1)経営の悩みがある。その具体的な悩みを報告者等で例会に持ち込む。(2)悩みをもとにして学び、ヒントを掴む。(3)翌日から会社で実践してみる。(4)また課題がでてくる。これをまた同友会へ持ち込む。例会づくりでもこのサイクルにそって基本にもどってみてはいかがでしょうか。同友会に入会した目的をもう一度問い直し、活動をつくっていくことを確認し、まとめとさせていただきます。
【文責事務局・多田】