尾張支部4地区合同例会(7月)
尾張支部では今年7月に4地区ごと1つのグループをつくり、それぞれが特色のある合同例会を作り上げました。「今回、四地区合同の例会という事で、やはり、地区の単独例会にはない活気と新たな交流を持つことができ、参加者にとって新しい刺激を持ち帰ることができた例会であったと思います」という感想が寄せられています。また、「学んだ事を各地区でも実践し、地区の発展に活かすことが大切なのではないでしょうか?今回の例会を機に各地区に新鮮な刺激が与えられ、各地区の進化へと繋がる事を期待します」という課題も提起されました。
●Aグループ(担当、海部・津島、一宮、稲沢、尾張北青同)7月24日
個人の自立と自立型企業
伊藤碩茂氏(株)総務システムサービス
日本人独特の「甘えの構造」の中、「99同友会ビジョン」のめざす『自立型企業』をいかに実現するのかを考え、学ぶ例会となりました。
従業員の自立
まず従業員の甘えとして「様々な分野を経験したから有能だ」「役職につけば楽ができる」等があります。それには「自分が何をやりたいか」「自分が何に向いているか」を個々が明確にしていくことが大切であり、「今と同じ給料を他社で貰えるか」という意識を持たせることが、従業員の自立にも繋がるのとの事でした。
経営者は「機能」である
一方、経営者については、同族経営での「経営者の甘えと後継者の甘え」という視点から、「無能な同族は従業員全員の不幸である」といった厳しい指摘や、経営者というのは地位でなく「機能」である、自らの意識改革がなければ企業は長く続いていかない等のお話もありました。グループ討論では、「一人一人が『従業員』ではなく、『事業員』であれと意識させ、一人一人にリーダーシップを発揮させる事によって従業員の自立にも繋がる」という意見が出されました。また経営者が従業員に対し、「能力を信頼しているのか」「人間性を信頼しているのか」「これをゴチャ混ぜにして接してはいけないのでは」などといった意見も数多く出されていました。
(日本エムティ(株)伊藤豪則)
●Bグループ(担当、愛北、春日井、瀬戸、尾北)7月14日
地場産業に不死鳥をみた!
加藤洪太郎氏名古屋第一法律事務所、舟越信三氏(有)名東保険事務所、加藤盛久氏(有)加山
午前中、瀬戸を散策
Bグループの例会は「99同友会ビジョン」の旗印I「地域社会とともに」をテーマに、「瀬戸新生研究会」(瀬戸地区の研究会)の今日までの活動、そして(有)加山の加藤社長にスポットをあて、パネル討論を行いました。午前中には地元瀬戸を実感しょうと3コースのオプション・ツアーも行われ、地場産業の過去・現在・未来を短い時間でしたが、学ぶことができました。パネル討論では、加藤、舟越の両氏(瀬戸地区)からスライドを駆使し、活動報告がありました。その中で長野県小布施町が紹介され、行政と地権者の法人・個人が一体となって「まちおこし」を進める事例(小布施方式)が報告されました。さらに、瀬戸に目を転じるとそこには魅力的な景観と資源と文化、そして窯業に自分の未来を重ねる青年たちの姿が見えてきたと、両氏は語ります。
「変革による豊かさ」同友会での学びが自立への一歩(加藤盛久氏)
先代の苦悩と地場産業の先行き不安を考えると家業を継ぐことをためらっていました。他県の陶器会社に勤めていた時に、家業から企業へそして積極的な市場開拓、伝統にとらわれない発想の必要性を学び、瀬戸に戻ってから模索の日々が続きました。同友会への入会はそんなとき、同友会活動を通して家業から企業への一歩を踏み出すことができました。そして異業種交流から新商品開発のヒントを得て、現在いくつかの実用新案・特許申請に取り組みながら、新規市場・新規顧客の開拓に力を注いでいます。今回の実行委員長である浅野氏(春日井地区)は、「限られた日数なかで検討とリハーサルを重ね、最後のリハーサルを視た時、『素晴らしい、これで大丈夫』と成功を確信しました」と語っていました。
またそれぞれの地区の垣根を越えた責任ある行動があって、成功へと導くことができたと思います。
(効果研究所アクシム田植和也)
●Cグループ(担当、知多、知多北部、豊明、尾張南青同)7月25日
小粒でもキラリと輝く機械メーカーめざし
間瀬文良氏(株)京和製作所
バブルによる好景気によって天国を見、バブル崩壊によって地獄を味わい、その後のサバイバル時代を経験、過去最高の利益を出すに至った現在までの波乱万丈の経営体験、そして65歳までのプランにもとづいた未来への経営計画を、間瀬社長に語っていただきました。まず好景気の時代は、社長就任によって誰もが夢見る経営者としての姿を、実践によって勝ち取ってゆく姿を語っていただきました。次に地獄の時代では、受注の激減でじり貧に、大幅な赤字となり、新卒採用は行いながらも、幹部を含めての人員削減を行います。右腕となる幹部を解雇するという、会社の前途のための選択を余儀なくされます。社長だからこそ味わわなければならない人間的苦しみを体験します。サバイバルの時代では100パーセント受注生産に切り替え、社内改革を行います。そして最後に、未来へのプランです。2000年12月にISO9000を取得、2002年にはISO14000を取得する目標を掲げます。ISOが中小企業だから必要であると語られます。当日は猛暑の中、約70名の参加者があり、グループ討論においても、これからの経営に何が必要なのかということを参加者全員、切実な想いで討議しました。間瀬氏の責重な体験の中で、何事においても経営者が甘えを捨て、強い信念をもち、強い企業経営をすることこそが、この不況を乗り切り、明日への道を切り開く唯一の方法であるということを痛切に感じました。
(原田酒造(資)原田晃宏)