どうゆうき


▼「平日は半額」というハンバーガーを発表して、一人勝ちになった会社。そこの社長はその価値の秘密をこう語っている。「わが社は世界でいま一番安い食材を瞬時々に判断し、購入している」と。コンピューターを駆使した「グローバル・パーチェング・システム」はIT時代のお手本と絶賛を浴びた
▼さて、狂牛病に感染した牛が国内で発見されて以来、「牛肉を食べてますか」が挨拶言葉になり、「食べなくなった」と答える人が少なくない。そこで、ある牛丼屋チェーンは、「わが社は安全な米国産牛肉のみ使用しています」と新聞広告を出した。それならどこの国の牛肉かわからない半額のハンバーガーは安全なのだかどうだか訳がわからなくなってしまう
▼さて10月16日に行われた「第四回あいち経営フォーラム」の記念講演で経済評論家の内橋克人氏は話の中で、「物価が下がって喜ばない人はない。しかし、賃金も下がらないはずはない」と述べ、物価が下がることの持つ問題点をズバリ指摘された。食品に関して、今消費者は決して価格だけでなく、その安全性や企業姿勢に大きな関心を示すようになっている。そのことは昨年の「雪印事件」以来、記憶に新しい。「安ければいい」の声が氾濫する中、内橋氏の言われた「生きる・働く・暮らす」を統合する立場とは何をすることなのか。私ども豆菓子屋にいただいた宿題だ
▼鋤柄代表理事の「フォーラムに出るということは、経営者が自社の経営戦略を練るという一番大事な仕事を何よりも最優先することです」の言葉の理解をこれからも会内に広げていきたい。

副代表理事 福谷正男