どうゆうき


▼8月15日は暑い1日でした。いよいよ防空壕を掘ろうということで、裏の竹やぶの斜面を削り、これから穴を掘ろうというところで、正午になりました。ラジオからの天皇陛下の言葉を正座して聞かされましたが、当時小学3年生の私には、なんのことかさっぱり分かりませんでした。どうやら戦争に負けたらしいと後で聞かされて、なんとなく落ち込んだような気分になっていました
▼8月15日を「終戦記念日」というよりも、「敗戦の日」とした方がいいように思います。終戦という言葉からは、戦争が自然に終結したような曖昧さが感じられてならないからです。また、8月6日原爆の日に、広島市長はアフガニスタンに対してテロ報復を行ったアメリカを強く非難しました。非難は当然としても、どうせ非難するならば、アメリカの原爆投下も非難して欲しかったのですが
▼さて人類の歴史は、戦争と殺戮の歴史といっても過言ではないでしょう。その中でも一瞬にして数万人を焼き殺すという虐殺が二度にわたって行われました。それが広島と長崎への原爆投下なのです。当時の日本政府や軍部にどのような戦争責任があったとしても、原爆投下は虐殺以外のなにものでもありません。「あやまちは二度と繰り返しませんから」という言葉は、だれが誰に誓っている言葉なのでしょうか
▼日本政府が近隣諸国から戦争責任を追及され、謝り続けながらも、アメリカには何も言わないことに、もどかしさを感じます。「平和とは、戦争と戦争の間のだましあいの期間である」という言葉をかみ締めながら。

会長 佐々木正喜