どうゆうき


▼9月の欧州中小企業政策視察に参加し、印象が深かったのはベルギー小企業連合のソレ氏の話だった。ソレ氏は中小企業の要求を反映させることにより今日のEUがあると説明、特に「ボローニャ憲章」の「イノベーション」と「職業訓練」の重要性を力説、「私達の誇りはこの組織から『パーマネントエデュケーション』という概念が構築され、EUにも採用されたことです」と語った
▼帰国後、ここで言及されたドラッカーの「ネクスト・ソサイエティ」を読んだ。ソレ氏が言わんとしたことは、「今日、知識労働者が急増する。今までとの違いは社会人のための継続教育が加わるということだ。これまで学校は仕事に就けば終わりだった。しかし知識社会では学校に終わりはない」ということだと思った
▼広義の教育の重要性も変わらない。「中小企業家しんぶん」で田山謙堂氏が取り上げているように、ガルブレイスは「日本経済への最後の警告」の中で、「大恐慌」の時、米大統領がいかに短期間に、大胆に、重要な政策を次々に打ち出し、恐慌への不安の払拭に全力をあげたかを語り、「日本の政府は『経済刺激』のために『公共事業』に多額の資金を注ぎ込んできたが、いま最大のターゲットは『教育』面ではなくてはならない。人材開発の立ち後れは国家の将来展望を失わせる」と述べている
▼帰国後、公明党の「列島縦断フォーラム」にいっしょに出席した鋤柄代表理事は、「日本は教育立国になるべきです」と発言、大いに共感を呼んだ。代表理事に「ガルブレイスを読まれましたか」と聞く機会がまだないのが残念だ。

副代表理事 福谷正男