三河支部リレー例会10月
地域で活かせ!同友会での企業づくり、人づくり
今年度、三河支部方針では原点に返り、「99同友会ビジョン」の2つの旗印「自立型企業づくり」「地域社会と共に歩む企業づくり」を実践することを掲げています。例会の種類と参加の機会を増やし、支部全体での例会出席率を高めようとの試みで、4つの例会をワンセットとしたリレー例会がこの10月行われました。このなかで、学びの原点とも言えるグループ討論を主体に、4つのテーマでの会合を企画しました。業種テーマと担当地区は以下です。
(1)製造(安城・知立、西尾・幡豆)(2)建設(豊田、碧南・高浜)(3)流通・小売(岡崎、豊橋)(4)サービス(刈谷、三河青同)
●大手と連動しない中での企業づくり、人づくり
石川徹氏(株)石川精工(機械部品加工)製造業10月24日
地の利、人の利
1977年、碧南市で創業。10年後現在の安城市に。ここでは良い人材が集まり、お客にも恵まれた。部長は30歳そこそこ、他の社員も若い。「心配の先取りはするな。何でもチャレンジしてくれ」「言い訳やできない説明より、やる方法を考えてくれ」と繰り返し言う。営業マンは自分のみ。近年は女性事務員にも機械と現場が解るよう教育し、女性の感性による営業で仕事がさらにとれるようになった。数の少ない面倒で難しい仕事もすべて受ける。少ロットの仕事が主体であり、今は大手からも仕事が来る。
他社にできないものを
微細加工は三河では少ない。0.02ミリの穴あけと溝加工の両方ができるのは当社のみ。高度な先進技術は大手工作機メーカーから情報をもらう。「難しい仕事も石川精工なら何とかしてくれる」とお客がついてくる。「この不景気な時代に何とかなっています」とは、うらやましい。報告後、「自社の企業づくり、人づくり」をテーマにグループ討論を行い、参加者全員がテーマを自問自答しながら意見交換が行われた。
渡辺測量・登記事務所渡邊邦俊
(有)太田保険事務所太田政彦
●住まいづくりは心のサービス
植山修雄氏(株)うえやま建設(木造注文住宅)建設業10月29日
19歳で父親に就いて大工の見習を始め、朝は親方よりも早く起き、休みの時間もノミやカンナを砥いだ。早く一人前になりたいという想いと現場監督や設計士との軋轢を感じ、下請けから工務店の社長へと転身する。23歳で初めて自分で一軒建てたときの喜びを味わう。地域の工務店として本物の住まいづくりの本質を突き詰めていく。今は日本の木材を使っての木造住宅にこだわっている。いい加減さを許さないという厳しい信念の経営は、お客にも社員にも信頼の絆を築いており、強く私達の心を揺さぶった。素直で正直でウソ偽りがなく、共に活かし活かされ、人の和を(輪)を広げていきたいと思っておられる事が強く感じられた。グループ討論では、「自社が地域で活かされている企業なのか」をテーマに討論を行ったが、参加者の大方の皆さんが「活かされている」との事であった。
オートパーツ角谷商会角谷修
●ありふれた味噌味の頑固なこだわり
野田清衛氏(資)野田味噌商店(味噌製造販売)流通・小売業10月25日
講師の野田氏は、先代の急死により若くして社長に就かれます。その会社の組織づくり、人材育成に非常に苦労された経験を熱く語っていただきました。特に社員教育に対しては(1)社風・社歴を教える、(2)仕事を楽しんで行なう、(3)夢を持って仕事にあたるということを強調されました。野田氏の素晴らしい経営体験談を聞き、出席者一同大変良い勉強になったと思います。
山口章税理士事務所山口章
●今、問われる企業モラル
平井英雄氏(株)ヒカリ(業務用食品製造販売)サービス業10月22日
昨今、一流と呼ばれる企業の不祥事が相次ぎ、世間を騒がせています。これら問題企業は、「顧客サービス」というものを少々履き違えているという印象を受けます。私達にとっても顧客サービスは重要な経営要素です。企業モラルについて皆で議論し、再度見つめ直そうと、この例会が企画されました。参加者は53名でした。平井氏は社員教育に非常に熱心な方で、企業モラルの高揚は社内の個々の担当者レベルから取り組む必要があり、次工程は顧客であるという思想が浸透しなければ、対外的な企業モラルなどは決して育たないと語ります。社員を教育するということがいかに重要であるかということを教えられた例会でした。また平井氏は非常に視野の広い方で、日本の戦後史や政治・宗教、果ては気功の話題まで飛び出し、参加者の皆さんにとっても良い刺激になったと思います。
岩月労務管理事務所岩月剛史