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東尾張ブロック(愛北、春日井、瀬戸、尾北)合同例会11月2日
2つの分科会で活発に討議
尾張支部・東尾張ブロックでは、合同例会として、2つの分科会形式の例会を開催しました。第1分科会では、名古屋支部長のエイベックス(株)の加藤社長より「どのような過程で経営指針づくりに取り組んできたのか」、また「社内で経営指針をどんな方法で浸透・共有してきたか」について報告して頂きました。第2分科会では、(株)松屋栄食品本舗の長瀬社長から経営者としての考え方や同友会への取り組み方を、福島事務局長には同友会の在り様や会員としての関わり方について語っていただきました。
(株)大信興業内田信也
第1分科会経営指針に基づいた会社づくり
自立した社員・社風づくりで生き残りを
加藤明彦氏エイベックス(株)・社長
加藤氏は、「社内では経営指針を通して、会社の存在価値を明確にし、目的・目標の明確化、社員との共通認識におけるベクトル合わせができる」と語ります。2004年には三重県の多度町に新工場を建設し、移転の計画を進めていますが、新工場について社員からも様々な提案が出るようになったと言います。また、経営指針の活用方法として、従来のように銀行に示すだけではなく、取引先のお客様にも提示することで客先からの信頼が深まり、安定的な仕事の確保にもつながっていると言います。グループ討論では、「経営指針をどう取り入れ、浸透させているのか」「作成していない人は、今後どのような取り組みをしていくべきか」などについて意見が出されました。経営指針を作成し実行している参加者は少なかったのですが、経営指針の必要性を実感できたと思います。この例会で座長という役割を通じて、「『経営指針』とは、自分自身でも判らないことについて計画を立てて、同じ想いを社員と共有するためには、まず1ページでも作成することが大切だ」と感じました。
水北耐火工業所鵜飼弘富
第2分科会同友会活動と自社への取り組み
長瀬生忠氏(株)松屋栄食品本舗・社長
福島敏司氏愛知同友会・事務局長
「同友会はとことん学べる会である」「まず出席すること。出席する以上は何かひとつでも持ち帰ること。持ち帰ったことは自分なりに加工し、自社に取り組むこと」いわば「同友会の基本」を、長瀬氏自身の体験を通して具体的に語っていただきました。「自社の成功を導き出した」という、まさに「活きたことば」に圧倒されました。よい経営者になるためには、このような「行動の循環」を習慣化させ、また同友会のスケールメリットを生かして経営環境の改善に取り組んでいくことや、後継者問題など「世代間の循環」をスムーズに行えるようにしていくことが大切だということを再考させられました。また、会活動の基盤である地区の活動を「感動(感じて動く=行動する、自社に取り入れる)できる例会」として活かしていかなければならないと痛感しました。
社会保険労務士山嶋事務所山嶋紀之
西尾張ブロック(海部・津島、一宮、稲沢、尾張北青同)合同例会11月26日
挑戦し続ける企業〜自立化をめざし、商品開発精神を学ぶ
鳥越豊氏(株)鳥越樹脂工業・社長
本業はプラスチック
当社は、自動車部品の中でも、プラスチック製品を製造している会社で、創業から15年間は自動車の試作部品を専門に作ってきました。今、「自動車業界は業績が良い」と言われていますが、それはメーカーだけで、4〜5年前から、コストダウンということで、開発の仕事が減っています。設備費や開発費は少ない程利益が上がりますから、メーカーも開発費を削減したり、開発の仕方も変えていくという方針で、従来の開発方法や製品が、どんどんなくなっています。このまま行けば、仕事が限りなくゼロになるんじゃないかという状況です。そのことを5年前に予測して、「わが社もこのままでは消滅していくだけだ。何かやらなければ」というのが、今の仕事づくりの原点でした。
健康グッズが大ヒット
最近、健康器具の製造を始めました。2年半程前に開発を始めた時、当社で試作品を作る機械が、稼働率10%を切っていました。月に2〜3日しか動かないという状態です。何とか機械を稼動させたいと思い、機械を改造してウレタンの成型ができるようにしました。開発した当初は、私自身も「こんな商品が売れるのか」と、半信半疑でした。しかし、共同で開発してくれた販売会社の販売戦略と市場のニーズとがマッチし、ヒット商品になりました。大手の通販やカタログ販売でベストセラーになり、今では月産5000個にもなりました。その理由を考えますと、つくる側の満足ではなく、使う側の満足度がいかに大事なのか、ということがこの商品を見れば一目瞭然です。つくる側の満足で造ってはいけないということを、この商品から教えられました。今はすべての商品について、「つくる側のニーズではなく、使う側の立場に立って開発をしていこう」と考えています。
すべてが本業
単価の下落という問題は、すべての業界で抱えていると思います。当社もこの問題については、とことん挑戦していこうと努力しています。そのためには、本業で価格競争に負けないよう業務体制を確立していくことが一番です。今後も開発をしていきますが、本業で徹底的に価格競争力をつけていこうという姿勢で臨んでいます。私は健康器具の製造などの開発事業を本業とは別に考えているわけではありません。すべてが本業だと考えております。本業があって、すべてはその延長線上にあるという捉え方をしています。今後もユーザーの意見も取り入れながら、素晴らしい商品を開発していきたいと思っております。
【文責事務局・井上一馬】
南尾張ブロック(知多、知多北部、豊明、尾張南青同)合同例会11月13日
「笑い」が貴方の会社を変える
足立秀夫氏大須演芸場・席亭
最近読んだ本の中に、「人間は脳幹に心地よい刺激を与え続けないと、脳はどんどん退化する」とありました。中でも特に、「笑い」が退化防止に効くそうです。まじめにコツコツやっているだけでは、企業は滅んでいってしまう時代です。生き残っていく「知恵」を出すために、もう一度「笑い」の重要性に気づいていただきたい、そんな想いを込めて、「笑い」をテーマに企画しました。講師の足立秀夫氏は、傾きかけた大須演芸場を建て直すべく、大阪で営んでいた不動産業をたたんで、席亭を引き受けました。講演では、「笑い」が健康に与える影響を科学的に説明した後、過去3度の競売の危機を、常に「笑い」を忘れず前向きに乗り越えてきたお話をされ、「笑い」を交えながら聞かせていただきました。グループ討論の是非については意見がありましたが、「どうしても」と実行委員にお願いし、決行しました。結果、参加者が活発に意見交換している姿を見て、「やって良かった」と感じました。
サン食品(株)加藤三基男