平沼増強委員長に聞く
今年は3000名実現めざす!
平沼辰雄氏(株)リバイブ・社長(副代表理事・3000名推進増強委員長)
今年は「99同友会ビジョン」で掲げた「3000名会員達成」の最終年度で、地区・支部・本部が一体となり会員増強に取り組んでいます。その先頭に立っている平沼氏をお招きし、「増強」とは何かについてお話いただきました。
地区例会報告が人生の転機に
29歳の時に同友会に入会し、その翌年に初めて地区例会で経営体験を報告させていただきましたが、「解体工事をやめたい」という話をしたことを覚えています。その報告を受けたグループ討論で本当に様々な意見をいただき、一人ひとりの経営者の視点や見方が違うことを痛感し、これが私の人生の転機となりました。以降、地区会長も経験せずいきなり第四支部(当時)の増強担当副支部長になり、増強本部長、支部長と同友会のいわば「出世街道」を歩んできました。そして増強本部長時代に担当事務局員と徹底して話しあったことが、今になって役に立っています。
自社を変えていく「学びの場」として
87年のことだったと思いますが、富山で開かれた「中日本ブロック交流会」で報告者を務めさせていただいた帰り道、列車の中で岐阜同友会の大先輩に「お任せ経営」「利益に対する考え方」、そして「公私混同しないこと」など様々な経営哲学を教えていただきました。会社に帰って早速、社員と一緒になって話し合い、経理の公開や財務の見直しなどを行い、現在のわが社の基盤をつくり上げることができました。私にとって同友会は人の話を素直に聞き、それを受け入れ実践し、自社を変えていく「学びの場」なのです。また同友会に限らずいろいろな会で役を受けると、会社を留守にしがちになります。しかし当社では、このことが逆に社員に権限を委譲し、社員の自立性を高める良い機会になっていると思います。
3つの目的の実現これが増強の「強」
さて増強を進めていく上での基本は、会員自身が同友会活動に自信を持つことであり、その為には同友会の3つの目的をよく理解することです。つまり、経営指針を成文化し、自立型企業をめざし、「良い会社」「よい経営者」「よい経営環境」づくりを自社経営に役立てていくことです。では、会員に同友会の目的を徹底させるには?その1つが地区例会で同友会理念に沿った例会や感動する例会を行い、グループ討論を行うことです。「自立型企業をめざす」という例会の目的をはっきりさせ、自分の会社をどうしたいのか、どういう方針をつくればよいのかを徹底して話し合うこと。これが増強の「強」なのです。
同友会への社会的期待高まる
同友会に対する社会的評価は「金融アセスメント法」制定運動以降、大きく変化してきています。愛知同友会の鋤柄代表理事は中小企業家の代表としてNHK「日曜討論」に2回出演されていますし、大阪や北海道の代表役員もテレビに出演するようになりました。全国レベルでも金融庁や中小企業庁から中同協に意見を求められ、懇談会が行われるなど、同友会の社会的評価はますます高まっています。これは、日本経済再生のために中小企業の力が不可欠であり、その代表としての同友会に対する評価が改めて見直されてきているからです。このように同友会に対する期待感が高まる中で、中同協では「人口10万の都市に百名の会員」という全国目標を掲げました。この目標から言えば、愛知には少なくとも5000人の会員がいても良いはずです。同友会はそれだけ価値のある団体なのです。
自らの活動を語るこれが増強の「増」
愛知同友会の6月3日現在の会員数は2314名です。昨年1年間で228名の方に増強していただきましたが、言葉を返すなら約2000名の会員は増強をしなかったということになります。先ほど申しあげましたが、会員が「自らを変える、経営に役立つ、経営環境を変える為に学んでいる」と自信を持って語れれば、経営者であれば必ず共感するはずです。これが増強の「増」なのです。今年の6月には、3つの支部で「増強講演会」を開催し、これをまず成功させていきます。(会外経営者137名を含め約600名が参加―編集部)また7月からは新会員オリエンテーションを毎月開催し、新会員の方には早く同友会に馴染んでいただくようにもしていきます。そして9〜10月を「増強月間」として設定し、10月17日の「あいち経営フォーラム」までに一気に増強をすすめます。当日を1000名の参加者で成功させた後、11月から3000名達成へのカウントダウンを始めます。今年は、「99同友会ビジョン」の最後の年であると同時に、新しいビジョンに向けて歩み出す年でもあります。より良い同友会のために、皆さんの一層のご協力をお願いします。また広報部の皆さんには、この「増」と「強」の関係をしっかり捉えて、「同友Aichi」の紙面に反映させていただきたい。それとともに自ら会員増強にも取り組んでいただきたいと思います。
【記広報部・鵜飼幸彦】