広報部
9月25日
人を育てることこそ経営者の使命
加藤輝美共育委員長が語る((株)ケイ・クリエイト社長))
今年度、共育委員長となった(株)ケイ・クリエイト社長、加藤輝美氏の熱気に満ちた声が響きわたり、同友会3階会議室は熱気に溢れました。加藤委員長は知人に誘われて入会。今では「活動すればするほど会社経営に役立つ」と実感され、積極的に役員などを引き受けています。
「加藤さん、会社大丈夫か?」
前共育委員長の岩田氏に誘われ、一昨年、岡山での社員教育研修交流会に参加したのが、加藤氏を変えたきっかけです。グループ討論の中で、「加藤さん、会社大丈夫か?」と突然言われ、頭の中が真っ白になります。社長として、初めて思い切り『どついて』くれたその人は香川の代表理事でした。その後、自己満足経営であったことに気づき、よい経営者へと変革していきます。加藤委員長はまず、朝礼で欠かさず行ってきた押しつけの教材による教育を廃止し、社員に不評であった社員旅行も取りやめます。またある若手社員から「25歳の社員も納得できるように説明してくれ」の一言で、「社員を真剣に育てることは叱り飛ばすことではなく、自分のすべてを掛けて、心を込めて接することなのだ」と考えるようになります。
とことん社員の自主性を大切にして
加藤委員長は巨人軍を例に挙げ、「清原がたよりないからといってコーチの篠塚がバッターボックスに立ったらどうなるのか。その上、原監督までもが選手として試合に参加したら、周りの選手はどう思うのだろうか」と言います。つまり、原監督は試合を采配するのが役割であり、社長の役割も同様なのだと語ります。また、野茂やイチローは監督に個性を伸ばされたからこそ今の活躍があり、個性を伸ばすことも経営者の重要な役割であるといいます。今では、経営指針を社員と共有し、3つの事業部をそれぞれ独立採算制にして財務内容も公開しています。とことん社員の自主性を大切にし、今年度は目標を上回る経常利益となることが確実です。
社員を信じてつぶれても本望!
経営指針と社員の自主性を柱とする経営に、数年前のワンマン社長の姿を知るある広報部員が唖然とする場面もありましたが、実践に基づいた報告には説得力があり、大変勉強になりました。加藤氏は、中小企業経営者は社員とは違う役割で学び、指針・採用・共育という三位一体の経営から、働きがいのある会社をめざす。また問題を1つずつ解決するために、同友会活動を続けて、学んで行きたい。私たち経営者は、「生きている間に人を育てることこそ使命なのだ」と締めくくられました。報告後の討論で、「社員を信じて会社がつぶれたケースもあるが…」という厳しい質問にも、「企業が来年も必ず存続しているという保証はどこにもない。社員を信じてつぶれたとしても本望である」という力強い答えが帰ってきました。加藤委員長の熱気に参加した広報部員全員が当てらっぱなしの秋の夜でした。
(株)ライトジャパン中嶋大三
3支部共催(尾張、名古屋、三河)社員と共に学ぶ「共育研究会」スタート
加藤輝美(株)ケイ・クリエイト(共育委員長)
同友会の「共育」では、経営者も社員も共に学び、経営指針を共有し、企業の繁栄をめざすことを目的としています。しかし従来、私たち中小企業では、経営者は社員だけの成長を望み、外部研修に依存したり、押しつけ教育を行う、その一方で経営者自らは現状維持を望んだり、ワンマン経営に陥ったり…。経営指針をつくっても社内で浸透しない、成文化しようとしても社員との問題が多くて前に進まない、そんな悩みを抱えていませんか?共育研究会が、いよいよ11月5日より毎月1回の6回講座でスタートします。この研究会では経営者と社員が共に講座を受け、グループ討論にも参加して学びあい、自社の発展をめざします。ぜひご参加ください。
●講座内容
(1)同友会とはこんな会〜同友会と会社経営は車の両輪
(2)社内活性化を生み出す「報・連・相」
(3)目標管理による共育とは
(4)当てにし当てにされる関係づくり
(5)生きがい働きがいと中小企業〜何のために働くのか
(6)夢(価値観)の共有化〜そのために今何ができるか
※お問い合わせは同友会事務局まで。