どうゆうき

▼最近、景気回復が伝えられているが、「景気循環的なもの」とか、「デジタル家電や自動車などの輸出の好調にある」とか理由が言われているが、金融の安定化もその大きな要因ではないだろうか。企業にとってお金は血液と同じで、その流れが著しく滞れば、健康状態は良くならない。中小企業ほどその影響は顕著に現れる
▼「金融アセス」はその流れを改善すべく、地域金融機関や地方議会、政府に働きかけ、結果、その主張が広く社会の認めるところとなり、金融政策の転換が行なわれ、金融機関の中小企業への対応も変化してきた
▼愛知同友会では2002年にEU視察を行い、「欧州小企業憲章」を学んだ。そこでは、小企業は「欧州経済の背骨」であり、「雇用の源泉」「ニュービジネスを産み育てる大地」「経済政策の最優先課題」と位置づけられている。この憲章により各国はその実施の為の法制度を整え、行動計画や達成度が毎年点検され課題が確認されなど、注目すべく特徴を持っている
▼わが国の経済政策はまだまだ大企業が中心。中小企業が育つには、中小企業とって最適な環境づくりが必要である。私たち中小企業家がそれぞれの現場から意見を発信しない限り、実現は望めない。これは同友会理念の1つである。「中小企業憲章」は中小企業にとって理想の経済環境をめざす運動であり、7月の全国総会に向け、草案がまとめられつつある。これからは、理想の経営環境とは何のかについて1人でも多くの経営者と議論を進めていくことが必要だ。

広報部長 加藤昌之