広報部3月22日
佐々木会長が語る「同友会と私」
「学びて行わざれは、学ばざるに同じ」
佐々木正喜氏オネストン(株)・社長(愛知同友会・会長)
スタートは広報から
私は1971年に創業し、79年4月に同友会に入会しました。入会後、すぐに広報委員となり、私の同友会活動は広報から始まりました。これが良かったと思います。広報活動から同友会というものを広く理解することができました。各地区から広報委員が出席し、いろいろな情報が集まってきますし、何よりも地区を越えて、たくさんの人との交流ができました。広報部で作成している「同友Aichi」は、会の活動を記録し、会の未来への方向を示しています。時々、「あんな新聞やめたら」と言う人がいます。しかし、会活動に参加できない人でも、「同友Aichi」や中同協の「中小企業家しんぶん」を楽しみにしている人が、けっこういるのです。正直言って、「読んでいないと大損ですよ」と言いたいですね。
指針づくりと浸透これが社長の仕事
同友会で学んでいるうちに、会社の目的の達成には指針づくりが不可欠だと感じ、早速、成文化にとりかかりました。経営理念の成文化には5年程かかりました。さらに社員に納得させるのに時間をかけました。今は、私がいない時でも会社はどんどん前へ進んでいきます。3年前には1カ月以上入院したことがありますが、1度も電話がなく、寂しい(?)想いをしました。社長がやる仕事、やってはいけない仕事ははっきりしています。指針づくりはその手段であり、それを実行、実現するには力を要します。しかし、一度実現できれば、あとは社員に任せてしまえばいいのです。
「1個づくり」が自社の得意技に
愛知同友会では、「自立型企業づくり」をビジョンの中で打ち出しています。自立型企業とは、「他社が真似のできない得意技を持ち、商品開発力や技術力を蓄えて、多様なネットワークを有効に広げる方向性を持った企業」だと言っています。その判断要素として、「独自の技術力、商品力や開発力を持った企業、販売力やサービス力でも独自の得意技が発揮できる企業、そのための人材育成力が確実に蓄積されている企業」としています。標準品は価格競争になります。それなら1個や2個だけの注文をたくさん取ってこればいい、これをもっと掘り下げて、自社の強みにしようと進めてきました。今では1個づくりが得意技としていますが、最初はお客様からの要求で始まったことで、強みだと言える自信はありませんでした。そこを徹底したことで、他社との差別化をすることができ、昨年度は過去最高の利益を出すことができました。
同友会と企業は両輪
また同友会の会員が増えていくのに比例して、不思議なことに当社の業績も上がっていきました。(グラフ参照)同友会で学ぶとは、「同友会に経営の勉強をするため入会し、10のことを学びました。その1つを会社に取り入れました。うまくいきました。この体験を同友会で報告しました。そうすると、他の経営者からアドバイスがあり、もっと会社が良くなりました」ということでしょうか。一方で、「いい経営環境づくり」を掲げ、中小企業全体をレベルアップしていかなければいけません。同友会に入会して会社が良くなったという人をどれだけ多く増やすか、それをトップ役員が率先すべきでしょう。
あらためて同友会とは?
当社は現在、1200社との取引がありますが、取引のなくなる会社や倒産・廃業する会社もあります。常に新規開拓が必要であり、同友会でいえば退会者を補うことと同じです。会社の仕事も同友会の増強も、ある意味一緒ではないでしょうか。この1年、1人も増強できないということは、会社で新規開拓ができなかったということです。新規開拓ができなければ会社はどんどん細くなります。「同友会と企業は車の両輪」という言葉が使われますが、増強も同じです。「儲け」という字は分割すると「信者」になります。他社にできないことをやって、喜んでもらって、信者をつくるということです。そしてもう一度「儲け」を3つに分解すると、人と人の間に言葉があります。お客様としっかり言葉を交わし、理解してもらうことが大切なのです。
【広報部員服部庄三】