第4回新会員オリエンテーション
10月28日
「同友会は漢方薬」
会合への参加が経営の力に
片岡恵一氏システムテクニカ(株)社長(尾張支部幹事長)
会社概要
システムテクニカ(株)・設立1984年・資本金1400万円・社員数5名・事業内容ソフトウェア開発
サイバーテクニカ(株)・設立1997年・資本金1000万円・社員数7名・事業内容受託ソフトウェア開発
副業から本業に
私は工業高校を卒業した後、大手電機メーカーに18年間勤めました。上司は機械に強くても電気には弱い人でしたので、電気に強くなる為、私はマイコン機械言語を独学し始めました。そのうちに、私の弟の友人が起したソフト会社の仕事を、副業感覚で手伝うようになりました。上司にも了解を得て始めた副業でしたが、ここでの収入が本業の給料と同じくらいになりました。そこで、「仕事にも自信がついたし、私も35歳で人生70年の半分をすぎた」ということで、独立を決意しました。今から20年前のことで、マイクロコンピュータが出始め、「これからはメカトロ(メカニック+エレクトロニクス)の時代」と言われた頃です。ちょうど中小企業にもオフコンが入り始めた頃で、中小企業向けのソフトをつくる会社は少なく、創業当初から時流に乗り、自社ビルも建てることができました。ところがバブルがはじけ、売上が半減。なんとかこの事態は乗り切れたのですが、事業規模はかなり縮小せざるをえませんでした。
親方だった私が経営者をめざす
その頃、当社のテナントに入居していたソフト会社の一部門が、わが社に「社員を受け入れて欲しい」という話がきました。それなりの仕事を持っている会社だったので、「何とかやれるのではないか」と、別会社を立ち上げました。それが「サイバーテクニカ」です。さて会社の中では、自分が一番仕事ができましたので、どうしても社員の仕事の進め方が気になります。社員に対して「なぜこんな仕事ができないのか」という想いを持ったこともありました。今になって思えば、私は経営者ではなく、親方だったのです。そんな時、同友会に入会しました。本当は別の会に強く誘われていたのですが、以前からお世話になっている先輩に相談したところ、「もっと良い会があるから」と同友会を紹介され、入会することになりました。
客観的に経営を学び、自社に活かしていく
入会してすぐに、経営指針を成文化する研究会があると聞き、早速参加しました。わが社の経営理念は「信頼に応える」で、これは創業当初から大切にしてきた想いですが、なかなかこの理念が社員に浸透していきません。そんな中、同友会に積極的に参加し、聞いたことや学んだことを自社にあてはめて実践する中、少しずつ社内が変っていきました。今では社員一人ひとりが自ら指針をつくり、PDCAを行い、月次で目標管理をしていけるようまでになりました。「同友会は漢方薬」とよく言いますが、継続が力になることを実感しました。同友会のメリットは、多くの経営者に出会えることです。積極的に学んできた経営者や、中には反面教師にしたい経営者がいるかも知れません。しかし、客観的に経営を学ぶことができ、自社に活かせる、そんな場所が同友会なのです。
商売と経営では次元が異なる
同友会は「経営を学ぶ」場です。商売は3年も頑張れば、専門知識もついて、できるようになります。しかし、商売と経営は違います。経営は、いかに社員の力を発揮させ、戦略を立てていくかということです。本当の経営者ならば、別の会社に移った場合、商売はできなくても経営はできるのです。これが私たちのめざす姿ではないでしょうか。言葉は各自の考え方のあらわれです。例えば、「人権」という言葉を知らない人は、「人間の権利について考える」ということはできません。同友会の中では、「同友会言葉」とでも言いますか、良い言葉がたくさん飛びかいます。良い言葉に触れるということは、良い考え方に触れることでもあります。最後に、「忙しくて例会に参加できない」と言う人がいますが、時間は自らつくるものです。参加しなければ同友会の良さはわかりません。ぜひ皆さんも時間をつくり、積極的に参加してください。
【文責事務局・井上一馬】