「経営指針発表会」に参加して
1月15日
「絵に描いた餅」で終わらせないために
「発表会を行おう」
愛知同友会では、経営指針の成文化のみならず、取引先や金融機関も含めて「発表会を行おう」と呼びかけています。その実践の先頭に立つ3人の支部長の企業での「経営指針発表会」が昨年5月から9月に行われ、事務局員も参加させていただきました。この模様は「同友Aichi」(04年11月号八面)か、ホームページ「Ainet」をご覧ください。今年に入り、名古屋支部副支部長の佐藤祐一氏((株)羽根田商会社長)と、共育委員長で一宮地区会長の加藤輝美氏((株)ケイ・クリエイト社長)のお二人より、指針発表会への招待を事務局にいただきました。いずれの発表会も1月15日に開催され、輿石事務局員が出席させていただきましたので、その模様をお伝えします。
(事務局・内輪)
「キラリと光る羽根田商会」

佐藤祐一氏(株)羽根田商会社長(名古屋支部副支部長)
羽根田商会の第55期の経営方針説明会が開催され、当日は来賓、パート社員を含め約80名が参加、佐藤社長からの方針発表と各部門での具体的な目標発表がありました。指針書は、日本経済や世界の動向を分析した情勢認識から始まり、科学性あふれる企業戦略が明確にされ、取引先や新入社員にとって、とても説得力がありました。その後は各部門から、キラリと光る羽根田商会、お客様から選ばれる企業づくりに向けた各部門の目標数値が発表されました。
羽根田商会経営理念
私たちは、世界中から新商品、新技術、新アプリケーションを開拓し、それらを提案・提供することにより、モノづくりを支え、日本の産業の競争力を高めることを使命とする。私たちは、お客様の笑顔、家族の笑顔、一緒に働く仲間の笑顔を見るために努力し、その実現を通して自らを成長させ、物心ともに豊かな人生をおくる。羽根田商会の経営はこの2点を実現し、世の中から尊敬され、誇りを持って働ける会社、強く必要とされる会社を目指すものである。
「社員を信頼し、任せる経営」

加藤輝美氏(株)ケイ・クリエイト社長(共育委員長、一宮地区会長)
社長の出番は冒頭挨拶の10分間のみで、「社員を信頼し、任せる経営」を大切にするというケイ・クリエイトの経営姿勢をよくあらわしていた発表会でした。若手幹部社員が先頭に立ち、各事業部の採用計画から新規立上げ事業、具体的な売上目標を、仕入先やパート社員を含めた全社員の前で発表しました。「この発表会で自社に対して安心感を持っていただきたい」という社長の狙い通り、仕入先や金融機関の来賓者には、社員一人ひとりの「顔」が見え、経営指針が実行される会社であることが、明確になりました。
ケイ・クリエイト経営理念
一、私たちは、お客様に誠心誠意で、喜びと感動を創造します。
一、私たちは、仕入れ先様に誠心誠意で、喜びと感動を創造します。
一、私たちは、生きている、喜びと感動を創造します。
経営指針が形骸化しない為に
経営指針を成文化すると、社員との共有、実行が課題となります。しかし、毎年発展し続ける企業であっても同様の悩みを抱えています。いわゆる二極化が進行する中、発展する企業では経営指針を「絵に描いた餅」に終わらせないために、社長は理念やビジョンを語り、社員と認識を一致させ、一歩一歩課題を解決していくことが求められています。経営指針は成文化することが目的ではなく、実現することが大切で、それを実行に移していくことで、本物に、企業の力になります。そのため、全社員参加での「経営指針発表会」などは非常に有効な手段の1つとなることを、今回2社の発表会に参加させていただいて、確信することができました。
【事務局輿石領史】