広報部会2月24日
「2010ビジョン」作成の想いを語る
「中小企業が光を」
山本靖也氏(株)キョウエイ社長(青同連協代表、ビジョン検討小委員長)
「99同友会ビジョン」(以下「99ビジョン」)の策定以降六年がたち、新しく「2010年ビジョン」(以下「2010ビジョン」)の作成準備が進んでいます。このビジョンはこれから五年間、愛知同友会の進む方向性を示すものです。広報部では2月24日、その作成にたずさわったビジョン検討小委員長の山本氏をお招きし、作成の過程や背景についてお話していただきました。報告内容を「Q&A形式」でまとめてみました。
【広報部長加藤昌之】
若手経営者が積極的に参画
【Q】「99」から「2010」と数字が跳んでいますが、なぜでしょうか?
【A】「99ビジョン」は九九年四月の定時総会で採択され、実行のスタート時をタイトルにしました。一方「2010ビジョン」はビジョン達成の年度、2010年度をタイトルに冠しているからです。
【Q】「検討小委員会」はどんな活動を?
【A】「検討小委員会」は、総務会の諮問機関で、青年同友会のメンバーを中心に、代表理事や支部長、支部推薦の方々16名で構成され、2003年12月からスタートしました。「99ビジョン」の見直しから始め、8回の委員会を開催し、今年1月1日に「2010ビジョン」(案)の発表までこぎつけることができました。
「次代を創る中小企業」
【Q】「2010ビジョン」の目玉は?
【A】「若者中心だから、もっと夢のあるビジョンを」という要望もあり、「日本一」の文言を入れ、会勢を含む中身の伴った目標設定を行いました。愛知の会員数は約2600名で全国3位(1位は北海道で4800名)ですが、組織率(県下法人企業数に占める会員企業の割合)では2.6%で18位(トップは香川で9%)という現状です。もう1つのねらいは、「次代を創る中小企業」です。昨年四月NHKの『日曜討論』に鋤柄代表理事が出演した時、(ちなみに『日曜討論』出演は02、03年に続き、3回目)同席した経済同友会の方から「今時、中小企業団体で光を放った団体は珍しい」と言われたそうです。つまり「中小企業に光を」でなく、「中小企業が光を」発していくことをめざそうとしているのです。
「経営理念あり型」
【Q】「2010ビジョン」の内容や構成は?
【A】内容は以下の3つからなっています。1つ目は「企業経営」についてです。入会したことで経営者として、企業としての成長をめざそうという提起です。2つ目は「同友会運動」に関して、3つ目は「組織強化」の課題です。
【Q】「企業経営」に関してはどのような方向を?
【A】基本は「99ビジョン」で掲げられた2つの旗印「自立型企業づくり」「地域社会とともに歩む」にあります。この2つの旗印をより深く追求し、どんな経営環境にも柔軟に対応できる企業づくりをめざしています。もう1つは、「経営理念あり型」企業です。人間尊重の精神、『労使見解』に基づいた三位一体型企業づくりです。その具体的実践例である「モデル企業集」を今秋には出版する予定です。
「金融アセス」から「中小企業憲章」へ
【Q】では運動の部分はどうなっていますか?
【A】愛知同友会が取り組んできた「金融アセスメント」では、署名活動や地域行政や議会、金融機関との連携で、愛知同友会は全国の活動をリードしてきました。この運動の成果に学び、今度は「中小企業憲章」の制定をめざします。
【Q】「組織強化」とは?
【A】「日本一の同友会」をめざす組織づくりの課題です。「増」と「強」の充実、地域社会からあてにされる同友会、それにふさわしい会勢と組織をめざしています。また産官学との連携や、政策提案活動の充実をはじめ、地域社会からの期待に応える活動をめざします。また「日本一の同友会」を支える事務局の充実も不可欠です。
4月定時総会に議案として提案
【Q】今後のビジョン検討のスケジュールは?
【A】「2010ビジョン」案が発表されて以降、1月理事会での討議を踏まえ、理事が各地区役員会を訪問して意見を聞きました。また会員からも意見を文章等で寄せていただき、それらの意見に回答しつつ、現在、文案の練り直し中です。3月の理事会には第1回の修正案を提案し、4月5日の理事会で確認の上、最終的には4月28日の定時総会で、議案としてかけられる予定です。
【Q】意見はどのように反映しているのでしょうか?
【A】「2010ビジョン」では、具体的な数値や方策をかなり盛り込み、特に地区再編に関しては多くの意見をいただきました。しかし、あくまでビジョンですので、該当する個所をもっと簡潔な形でまとめようと思います。また全体的に、内容が細かく、文章が多いとのことで、字数を減らし、図表やパワーポイントでわかりやすく説明できる内容にします。
ビジョンと自社を置き換えて考える
【Q】ビジョンは今後、どのように実現させていくのでしょうか?
【A】ビジョンは5年先の同友会のあるべき姿を示すもので、具体的方針は総会議案の方針(計画)として今後、煮詰められていきます。
【Q】最後に。委員長として得たものは?
【A】ビジョンを検討するなかで、常に自社に置き換えて考えていたので、自分にとっても自社にとっても、多くの学びの時間となりました。
山本氏からの「2010ビジョン」作成にかかわる熱弁の1時間。彼の本音トークの中に、同友会にかける強い意気込みを感じました。まだ意見の取りまとめや修正などに、長時間を要すると思います。御旗が大きければ大きいほど、内容が良ければ良い程、会の隆盛を約束するものだと思います。今後、一層のご活躍を期待します。