どうゆうき

▼今のアメリカ型の資本主義は、無理矢理消費を拡大させる経済であり、自然環境に大きな影響を与えています。それゆえ近いうちに崩壊してしまうかもしれません。また人間の切りのない欲望が今の日本社会の大きな歪を生んでいます。人間にとって喜びであった利便性が悲しみに変わる、そんな疑問を愛知万博は投げかけています
▼「利益を出す為なら手段は選ばず」「会社の売上が落ちればリストラもやむなし」、これが競争原理です。「中小企業憲章」はそれに対する対案であり、地域の中での中小企業の安定した基盤づくりの課題を提起しています。その地域版が中小企業を活性化させる条例であり、愛知同友会でも地元自治体での制定運動に積極的に取り組んでいきたいと思います
▼今、愛知県の景気は良いと言われますが、万博が終わった後、どうなるかわかりません。リサイクル、CO2などの環境問題、特に水、バーチャル・ウォーター(仮想投入水:農産物や製品の製造に使われた水をその購入者が間接的に消費したとする考え方)の問題が浮上するでしょう。日本は食糧輸入によって年間約640億トン(琵琶湖の貯水量の約2・5倍)を輸入し世界一であり、ヨーロッパからはその改善を求められています
▼現在の世界人口65億人が20年後は85億人になると言われており、この問題は日本の食糧問題を左右するでしょうし、様々な摩擦も起きてくるでしょう。私たちはこのような状況の中で、進むべき道を選択していかなければなりません。同友会の皆様の知恵で立ち向かっていきたいと思う次第です。

代表理事 山本栄男