南京高淳県訪問を終えて
山本栄男代表理事(団長)
整備された道路で5時間、高淳県に
10月7日セントレア空港10時40分に出発、南京高淳県への4日間の訪問でした。空港に着くと、前回、名古屋にみえた王来興委員会主席が出迎えてくれました。高淳県まで5時間の移動の車中、王主席と通訳の余家明氏をまじえて会話がはずみました。その中で、「日本の皆さんと経済交流をしたい。その為に高淳県として十数平方キロメートルの土地で、道路は高速道路のように整備され、電気・水道も完備し、建物のリースもできるようにしてありますし、賃金も安く、海路・空路・陸路運搬も十分」と王氏は語られました。実際に現地を見に行くと、立派に整備されていて、環境はとても良い所ですし、空気もきれいでした。夜は3日間晩餐会があり、多くの方との交流で大変でした。
南京では中山陵や大虐殺記念館を見学
3日目は南京に移動し、中山陵と大虐殺記念館を見学。やはり南京大虐殺の記録映画を見たら、日本に向かって何か言いたくなるし、言い続けるだろうと思いました。私は挨拶の中で、「戦中、日本軍が行った行為はとても悲しい事です。私達は当事者ではありませんが、忘れた事はありません。交流を深めていく事についてはその事を胸の中にしまって、双方が未来を見て活動する勇気を持たなければ、本当の経済交流は発展していかないと思います」と述べました。さらに、「悲しい出来事をつくった日本の一人として、この地に来ることがどんな苦しいかわかってください。私の勝手かも知れませんが、それを双方で乗り越えましょう」とも言い、先方もその通りですとの事でした。
人間対人間の交流が先
今の南京は名古屋市と異なり人口が600万人で、立派な建物や町並みもあり、高速道路も名古屋より整備されています。皆さんが中国を一度見て認識をする事が大切だと思います。いつまでも昔の事ばかり言っていては。どうしたら隣国とうまくやっていけるかが大切です。今、中国に1万3000社近い企業が進出していると聞きます。人間対人間の交流が先で、理解しあって経済交流が進んでいる企業は良いのですが、経済交流が先で進出している会社は他人の事とはいえ、心配せずにはいられないというのが率直な感想でした。
●視察レポートより
「高淳県人民政府商務考察団」が昨年8月名古屋などを訪問した際、「高淳県人民政府中小企業局と愛知中小企業家同友会との『友好議定書』」が調印されました。今回の視察団は、今年7月来名した「第2次考察団」からの招請に応えたもので、山本栄男代表理事((株)サカエ社長)を団長として7名が参加しました。
南京高淳県訪問の日程
(1)10月7日(金)
※セントレア発
(1)上海到着(出迎/王来興・中国人民政治協商会議高淳県委員会主席等)
※高淳県へ移動
(2)県中小企業局主催の晩餐会(出席者/?盛・中小企業局局長等)
(2)10月8日(土)
(1)高淳県人民政府へ表敬訪問(劉以安・中国共産党県委員会書記及び印幸福・県長らの歓迎)
(2)見学(午前中)・高淳県投資センター・新東陽食品公司・開発中の新区・紅宝麗公司
(3)県総工会主催の午餐会(沈永春・高淳県総工会主席等が出席)
(4)県中小企業局へ表敬訪問
(5)見学(午後)・高淳紡机公司・高淳陶資公司
(6)中小企業局・招商局との懇談
(7)県人民政府主催の晩餐会(印幸福・県長、束建民・中国共産党県委員会副書記等が出席)
(3)10月9日(日)
(1)老街、遊子山風景区見学
(2)県総工会及び県中小企業局 主催の午餐会(王来興・政経委員会主席等が出席)
※南京市への移動
(3)南京大虐殺記念館と中山陵を見学
(4)南京市総工会訪問・懇談(劉頴・南京市総工会副主席、朱兆全同副主席、宋政同副主席等が出席)
(5)南京市総工会主催の晩餐会
(4)10月10日(月―祝)
※ホテル出発(史季航・高淳中小企業局副局長等が見送り)
※上海空港から出発、セントレア着