夢と情熱と誇りを〜新春を迎えて

会長 佐々木正喜
愛知中小企業家同友会会員の皆様、明けましておめでとうございます。年が変わり新しい年を迎えますと、心も引き締まり、新しい年への抱負も沸いてきていると思います。
「愛知の一人勝ち」と言われるが
昨年を振り返りますと、2月には中部国際空港が開港し、3月には愛知万博も開催されました。中部国際空港では、当初予算より大幅な削減が実行され、開港時期も早まるという事業経営のあり方の模範が示されました。また、万博では、その閉幕後の中部地区での景気後退が懸念されていましたが、いささかの揺るぎもなく、「愛知の一人勝ち」などと関東や関西の方からの羨望とも賞賛ともいえる評価をいただきました。
経営を圧迫する要因も
この愛知の、あるいは中部地区の好景気は、主に自動車産業の景気の良さとそれに関連する製造業が牽引役になっているようです。そういう意味では、まだすべての業界の景気が回復しているとは言い難いところもあります。こうした反面、異常といってもいいくらいの原油高が、今後エネルギー源の高騰ということで、どのように経営を圧迫してくるかという問題は残っています。また、昨年中国では人民元の切り上げが行われましたが、2パーセントという小幅であったことから、何時再切り上げが行われるかもしれません。中国と関わる企業にとって、このことは看過できない重要課題だと思います。
中小企業は日本経済を支える大黒柱
さて、こうした環境の中での昨年の愛知同友会の活動では、中小企業憲章と中小企業地域活性化条例の勉強会や研究会が活発に行われるようになってきました。ご承知のように企業数では99パーセント以上が中小企業であり、働いている人の70数パーセントが中小企業で働いています。その現状から考えて、中小企業こそが日本の経済を支えている大黒柱であると国が認識して欲しいと願っています。しかし、一方では私たち中小企業経営者は夢と情熱と誇りをもって、国民の期待に応えていかねばなりません。自分たちが本当に国の経済を支えている大黒柱であるということを、実践を通して検証していかなければなりません。
同友会らしい企業づくりを
かつてケネディ大統領が就任演説で言ったように、国に対して何かを要求するときに、私達自身が何が出来るかを自問しながら行動しなければなりません。幸いなことに今はそれなりの景気です。しかし、こうした時こそ、浮かれることなく、自重していなければいけないと思います。経営を困難にする要素はいくつもあります。そのことを忘れることなく、同友会らしい企業づくりに共に専念しようではありませんか。