尾張支部
1月25日
今こそ人間尊重の経営実践を〜『労使見解』30周年〜
田山謙堂氏(株)千代田エネルギー会長(中同協顧問)
尾張支部の年に1度の例会で、総勢180名を超える参加があり、盛大に開催することができました。はじめに、なぜ『労使見解』が必要になったかというバックボーンの説明から始まり、次に経営者として「経営姿勢の確立」をしなければ、労使の信頼関係は生まれないという考えができたこと、それを形にしたものが経営指針書であると田山氏は報告されました。社員と方針を確認しながら、経営指針がどのように浸透していったかの報告を受け、私たちも身近に捉えることができました。私自身、『労使見解』は常に念頭に置き、永遠に追求するものだという想いを新たにしました。参加者は大いに討論することができ、地区を越え、業種・世代を越える交流と大きな学びの機会となりました。
エバー(株)吉田幸隆(尾張南青同)
田山氏の報告は、堅苦しいものではなく、自社での実例を具体的に話され、大変参考になりました。報告では、「経営者だけの考えではダメ。社員の切実な希望は何かを真剣に聞きだす努力をして、可能な範囲で誠実に対応すること」を強調されました。また、個人経営でも非常に参考になる内容でした。社員がいないと労使見解についてあまり聞く意欲が沸きませんが、会社(自社)をどうしたらよいかのヒントがたくさんあったと思います。どうすれば喜んでお客様が来てくれるのか、経営者としてお客様に接するのも社員に接するのも、通じるものがあると感じました。
畳の落合商店 落合伸彦(愛北地区)
「人間尊重の経営」を呼びかけ、1975年に発表された『労使見解』は同友会運動の基本精神を網羅した歴史的文章です。田山氏は労使争議が活発だった時代に、『労使見解』を自社の経営に生かし、社員との徹底した対話によって信頼関係を築き上げ、会社を成長軌道に乗せました。労使関係が、「総労働対総資本」という対立構造でしか語られなかった時代に、その苦労たるや並大抵ではなかったと思います。それをなし得たのは、「相手を認めてきちっと交渉する」という人間尊重の経営姿勢があればこそです。社員を一人の人間として尊重し、対等な立場で理解しあおうとしているか。田山氏の報告を聞き、自らの経営者としての姿勢を問い直すきっかけとなりました。
(株)丹羽組丹羽剛仁(尾張北青同)